女の子の話その④ -告白への道のり-
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↓ 前回のお話 ↓
クラスメイトには隠そうとして逆にバレてしまったが、
部活の連中にはNちゃんに対する私の気持ちはしっかり伝えていた。
そしてある土曜日、練習前に男ばかりで集まっていたところに、
マネージャのJちゃんがやってきて話の輪に入ってきた。
「それじゃ私が間に入ってNちゃんて子に話してあげようか?」
JちゃんとNちゃんは出身中学もクラスも部活もすべて違うため、まったく接点がない。
にもかかわらず困っている私のために手を貸してくれるというのだ。
「じゃ、今日部活終わったら一緒に帰ろう、って伝えてくれない?」
「いいよ、わかった!」
もはや天使にしか見えない。
危うくJちゃんを好きになってしまうところだった。
もちろん練習中は気もそぞろ。
そして3時頃部活が終わり、急いでJちゃんに結果を聞きに行く。
「部活終わるの遅くなるけどそれでもいいならいいよ、って」
終わるのが6時頃になるらしい。
もちろん何時間でも待ちますよ。
Jちゃんに再びお願いして伝えてもらった。
そして3時間近く、私は部室で時間を潰すことにした。
時間が経つのが非常に遅い。
彼女の使う部室は私が待っている部屋から通路を隔てて目の前にある。
薄暗くなり、外で何人かの女の子の声が聞こえてきた。
窓から覗くと小柄な子が1人、ポツンと立っているのが見えた。
間違いなくNちゃんだ。
Jちゃんが作ってくれたまたとないチャンス。
私は激しくなる鼓動を抑えながら思い切ってドアを開けた。
「今日は急にごめん、来てくれてありがとう」
「ううん、いいよ」
最初にそんな言葉を交わした気がする。
その後は何を話したかまったく覚えていない。
Nちゃんが私と2人きり、並んで歩いてくれているという現実。
信じていいのかな、と本当に思った、夢のような時間だった。
学校から駅までは歩いて10分くらいだ。
そして電車でまた10分くらいでNちゃんが降りる駅に着く。
私の駅はその1つ向こうだ。
2人で電車に乗り、ようやく私は気付いた。
このまま別れてしまったら、一からまたやり直しだ。
思い切って告白するか迷ったがやっぱりできない。
ならばせめて次につながないと。
彼女の駅に着く直前になってやっと言葉が出た。
「月曜日も一緒に帰らない?」
「うん、いいよ、じゃバイバイ」
彼女は笑顔を残して帰っていった。
なんとかつながった。
しかし・・・翌日もまたチャンスを生かすことができなかった。
別れ際にまた聞いてみた。
「ごめん、明日も一緒にいいかな?」
「いいんだけど、明日から部活の帰りがかなり遅くなるから時間的に無理かなあ」
さすがにこう言われると待ってるから一緒に帰ろう、とは言えなかった。
結局2回、彼女と30分余り2人で過ごすことができたが、何も伝えられなかった。
いよいよ万策尽き、なんとか直接呼び出して気持ちを伝えるしかなくなった。
結果を怖がってばかりいては何も進まない、そう意を決した。
そんな中、クラスの中に私を窮地から救ってくれる女神が現れた。