阪急からオリックスへ〜強かった勇者は何処へ行ってしまったのか。
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今の私は根っからのパ・リーグ党だ。
ヤクルトの記事でも書いたが、どうもセの野球への興味が薄れてきている。
交流戦や日本シリーズでは悉くパにやられ、人気の面でも昭和の時代からは
考えられないくらいにパの勢いが強い。
セ・リーグが「セカンド・リーグ」と揶揄されて久しい所以だ。
DH制もあってとにかくパの試合が見ていて面白いのだ。
今や球界の盟主ともいえるソフトバンクが牽引している面が強いが、
他球団も王者ソフトバンクを倒すために実力、集客面で着実に成長している。
まさにリーグ全体で切磋琢磨している、といえる。
もともと私は阪急ブレーブスのファンだった。
ヤクルト同様になぜ阪急だったのかは覚えていない。
多分あの赤いユニフォームがカッコよく見えたとかそんなんだろう。
本拠地が西宮だったため試合を見に行く回数も非常に多かった。
私が小学生の頃はパはとにかく西武が強い時代だ。
毎年のように圧倒的大差で優勝されてしまう。
阪急が2番手で追うことも多かったのだが、夏場までついていっても
夏以降の天王山になると決まってコテンパンにやられる。
私が見始めてからの優勝は84年の1度だけに終わったが、
その4年後にまさかの身売りがあるとは思ってもみなかった。
阪急身売りのニュースは伝説のロッテ-近鉄のダブルヘッダーの試合中に知った。
同日には南海のダイエーへの身売りも報道されており、もう大混乱だ。
近鉄の試合は気になるわ、阪急と南海の行く末は気になるわ、
私はNちゃんのことが気になるわで大変な日だったのを覚えている。
身売り後は神戸への移転とブレーブスからブルーウェーブへの愛称変更で
かなり違うチームになっていったが、阪神大震災のときの連覇によって
身売りは決して悪いことではなかった、と考えることができるようになった。
しかしいいことは長くは続かない。
次代を育ててこなかったツケが出て、イチローのメジャー移籍と合わせるように
強かった頃の面影すらない悲惨なチームへと変貌していった。
代わって台頭したダイエーにシーズンで4回も20点以上取られたのが悪夢の2003年。
特に8月1日の試合は29失点というもはや野球とは思えないスコアで大敗を喫している。
序盤の3回で23失点しており、呆れて帰ったお客さん結構いたんじゃないだろうか。
そして2004年の球界再編騒動で近鉄と合併し、オリックス・バファローズになる。
私はオリックスファンではあるが、決してバファローズファンではない。
近鉄ではなく阪急が好きだったからだ。
だから私は「オリックスファン」とは言うが「バファローズファン」とは言わない。
もともと近鉄ファンだった人の中にはこの逆って人もいるんではないだろうか。
まあそんな捻れた歴史を持つオリックスなわけだが、強ければ文句はない。
しかし残念ながら合併以降も相も変わらず「弱い」のだ。
Bクラスは当たり前、息を吐くように最下位にいることもしばしばだ。
何を間違ったか2位になってしまったことが2回もあるのだが、
そのどちらもCSファーストステージで日ハムにあっさりと引導を渡される。
そして翌年は前年躍進の反動がきっちり出てビリ独走、というお決まりの流れだ。
CS創設以降、ファイナルステージに進んだことがないのは12球団でオリックスだけだ。
パ・リーグのお荷物と言われても何も言い返せない惨状だ。
2010年に就任した"どんでん"こと岡田監督の時代もやはりBクラスばかりだったが、
試合を見ていて非常に面白かったのを覚えている。
平野-岸田の方程式を確立し、後藤とT-岡田を中軸に抜擢した打線が当たった。
特に2011年は9月の怒涛の快進撃で3位まで見えたものの1毛差で西武に敗れる。
しかし見ていたファンとしては面白いチームになったなあ、と感じたものだ。
ここ5年は福良、西村体制で大砲がまったく育たず、機動力もロクに使えず、
あまりに打てない打線に、自慢だった投手陣が辛抱しきれず負けを重ねる、
という悪循環が続いた。
ようやく中嶋さんという"まともな"思考ができる人が監督になったので、
今年は少しだけ期待したいと思う。
贅沢は言わないからまずは4位くらいでいい。
Bクラスからいきなり躍進しても打ち上げ花火で終わるのは歴史が証明している。
2001年近鉄、2008、2014年オリックス、2015年ヤクルトなんかはその典型だ。
ケガ人が少なかったとか、選手のキャリアハイが重なっただけとか、
継続的に強さを持続できるものではなかったことがほとんどだ。
強いチームは故障者が出ても代わりの選手がきっちり仕事をしている。
主力の調子がいまひとつでも周りの選手がカバーしている。
とにかく急がなくていいから、選手層を厚くすることに力を注いでほしい。
非力なユーティリティなんて何人もいらない。
4番は外国人でいいから、日本人の大砲候補も下位打線で育ててくれ。
杉本でも大下でもいい。
T-岡田だってあの乙女メンタルなら下位打線でこそだ。
打席の半分が三振でもいいからフルスイングできる選手を増やすことだ。
3年以内に優勝してくれ、なんて非現実的なことはオリックスファンは言わない。
もう25年も待っているのだから。