人生の雑記帳

思ったこと。気付いたこと。疑問。後悔。思い出。忘れたくないこと。そんなことを書き留めよう。

女の子の話その⑩ -すれ違いに終わったMちゃん-

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高校を卒業した後、私は北海道のある大学へ進学した。

初めての一人暮らしであり、高校生活とは比べ物にならないくらい自由だ。

まず時間が潤沢にあり、帰る時間を気にしなくてもいい。

積極的にアルバイトやサークル活動もできる。

 

2年生のとき、仲の良かった友人に誘われ、私はとあるサークルに入ることになった。

金曜日の夜に体育館とかに集まってバレーやバスケをしたり、

終わったらファミレスで食事をして、ドライブやカラオケに行ったりもする。

ときに土日などに日帰りの遠出をしたりすることもある。

まあ、いわゆる男女の出会いの場として用意されたごくありふれたものだ。

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私は理系だったので授業に出ているときは周囲はほぼ男しかいなかったが、

こういうものに参加しないと女の子と知り合うチャンスは増えない。

それは女の子の方も同じであり、来るのはだいたい短大生とか看護学校生とか

学内で異性との出会いがほぼない環境にいる子ばかりであり、お互い目的は同じだ。

基本的にはグループ単位で仲良くなることが多く、私を含む普段仲の良い男子数人も

ある短大の女の子グループとよく集まって遊ぶようになった。

その中に特に好きな子がいたわけではないのだが、一緒にいて楽しい子たちだ。

だいたいの子が私より1つ年下だったが、それはまったく気にならなかった。

このあたりは高校生と大きく違うところだ。

 

その中に誘うといつも喜んで応じてくれる付き合いの良い子が1人いた。

名前をMちゃんという。

高校時代のNちゃんと同じくらい小さめの子だ。

一人暮らしではないが、割と制限が緩く時間の心配があまりない子だった。

私が外食するときに一緒に食べに行く?と誘うと2人きりであっても応じてくれた。

彼女の家は海の近くにあり、帰りに送っていくときに海見てから帰ろうか、

といって海岸で波を眺めたり、押し合ってじゃれたりしたこともあった。

ただ残念ながらその頃の私にはまったくMちゃんに対する恋愛感情がなかった。

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3年生になり、会う頻度は減ったが私のMちゃんに対する感情に変化があった。

なぜかすごく彼女が気になるようになったのだ。

今まで距離が近すぎて気が付かなかった。

意識していなかったので彼女といるときが気負わず一番素の自分が出せていた。

私は以前そうしていたように彼女と2人で出かけようと久々に誘ってみた。

彼女はきてくれたが、明らかに以前と態度が違う。

なんかよそよそしい。

今までなら楽しそうにあっけらかんと笑ってくれたのに、それも鳴りを潜めていた。

 

私は彼女と仲の良いSちゃんという子を呼び出して話を聞いてみた。

Sちゃんは私の気持ちに理解を示したうえで、こう教えてくれた。

 

「あんた以前あの子に『こんな妹欲しい』って言った?」

「あの子『妹なんだ・・・』ってショック受けてたよ」

 

どうも私が"妹"扱いしたことがことのほか彼女を傷つけてしまったらしい。

発言した記憶はなかったが、そう思っていたことは確かなので、多分事実だ。

でもそれは決して"対象外"という意味で言ったわけではない。

私にとっては"妹みたいな子"も立派な彼女候補だ。

そのときは深く考えず、思ったことをポロッと口にしただけだったと思うが、

まさかそれがNGワードだったとは思わなかった。

 

結局Mちゃんは私の"妹"発言によって私への興味をすっかり失ったと知った。

結果論だが、私が自然体で彼女を誘っていた頃が実は一番チャンスだったのだ。

まあこのへんは良し悪しで、恋愛感情がなかったからこそともいえる。

Nちゃんのときほどではなかったが、やはりショックはある。

告白していないのでフラれたというより、好きになるタイミングが遅すぎた。

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男女関係ってのは難しい。

自分が好きになった子が、同じタイミングでこちらを気に入ってくれないといけない。

そうでないとなかなか交際には発展しない。

ゲームみたいにゲージが表示されてれば楽なんだが。

彼女の気持ちがこのラインを超えてればOKもらえる、みたいに。

でもそうじゃないからこそドキドキもするし人間らしいともいえる。

これはおそらく今後どれだけテクノロジーが発展しても変わらないんだろうな。