女の子の話その⑫ -4年もつないだ縁だったけど・・・-
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↓ 前回のお話
Yちゃんに3年ぶりに再会し、さらに手紙のやり取りが続いた1年後、
今度は彼女から意外な提案があった。
まとまった休みが取れたから、前回行けなかった遠くの観光地を案内して、という。
今回は彼女1人で来るとのこと、しかも私個人への依頼だ。
つまり2人で泊まりがけの旅行に行こうということだ。
私は嬉しいと同時に少し戸惑った。
どういう意図でこちらに来たいと言っているのかまではわからない。
私を気に入ってくれていて、交際に発展させたいと思っているからなんだろうか。
それともまったくその気はなく本当に観光したいだけなのか。
でもそれだとさすがに2人きりで泊まりの旅行を提案してくることの説明がしにくい。
私はもう一度自分の気持ちの答え合わせもしたくて、彼女を空港に迎えに行った。
1年ぶりに会った彼女は前回からそれほど変わりはない。
車中では昨年会ったときと同じように話すことはできる。
傍から見ればどう見ても付き合っている2人だ。
そして初日の観光が終わり、その日の宿へと向かった。
だが1年前と同じく彼女に対して特別な感情はやっぱり湧いてこない。
泊まりは旅館であり寝るときも同室だったのだが、指一本触れることなく朝になった。
こんなチャンスは2度とないと思える最高の舞台設定ではあったのだが、
肝心のYちゃんという異性に対してどうしても気持ちが盛り上がらなかったのだ。
翌日も同じような流れで過ごしたのだが、彼女の態度がどうも初日と違う。
初日の無邪気な笑顔があまりなく、受け答えにも若干の冷たさが感じられた。
夜寝るときも前夜とは違って私と距離を置いていた。
そしてその次の日、空港まで彼女を送り届けて旅は終わった。
夜はもちろんだが、歩くときに手をつなぐことさえなかった。
今回の経緯を考えると、彼女は私が先に動くのを待っていたのかなと思う。
私の気持ちが確認できたら応えようと思ってくれていたのかもしれない。
でも私が何もアクションを起こさないので彼女は落胆したのではないだろうか。
真相は闇だ。
それ以降彼女からはまったく連絡が来なくなったことを考えても
やはりあの旅で、Yちゃんに対して気のある素振りをみせない私に
2日目の態度の変化もあって、彼女が見切りをつけたと思えてならない。
私の方はやはり、もっと一緒にいたい、と思えなかったのがすべてだと思う。
せっかく4年もつないだのに、なんかちょっと寂しい終わり方だった。
いろんな女の子のことを綴ってきたが、こちらから好きだという気持ちが
結局持てなかったのは唯一このYちゃんだけだ。
出会いからのストーリーはかなり良かっただけに、そこはちょっと残念ではある。
自分のように、出会いをうまく生かすのが下手な人間に神様も酷なことをするものだ。
だが、なぜこのときYちゃんに気持ちが高ぶらなかったのか、
その理由のひとつが後に判明することになる。
それはまた別の記事で書いてみることにする。