「逆流性食道炎」ってなったことある人いる?
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「逆流性食道炎」
私が3年ほど前にかかった病気だ。
そのとき私は仕事でタイに出向いていた。
ある夜、職場のメンバーと食事に出かけ、かなりの量を飲み食いした。
「あーちょっと腹張っちゃって苦しいなあ、食べ過ぎたかな」
と感じたため、少し横になっていた。
それまでにもこういう経験はあって、寝てれば消化が進んで良くなったのだ。
でもこのときは一向に腹の張りが治まらず苦しいままだ。
立ち上がると吐き気がすごく、まともに歩くこともできない。
酒の酔いも手伝ってとても立ち上がることができなくなった。
最終的には職場の人がたまたま近くにあった警察書に相談してくれて、
パトカーでホテルまで送ってもらう、というとんだ珍道中になってしまった。
これで終われば笑い話で済んだのだが、話はこれで終わらない。
一晩休んだ私は歩けるようにはなったがまだ吐き気が残っていたため
食事がなかなか喉を通らない状態が続いていた。
おかしいなあ、と感じながら仕事で別の地方へ飛行機で飛んだ。
仕事を終えてバンコクに戻るために空港へ行くと、保安検査で引っ掛かる。
リュックに缶ビールを何本か入れていたのだ。
「これは機内に持ち込めないが、今ここで飲むんだったら構わないぞ」
保安検査員が私に告げる。
どうせ取られるなら飲んじゃおう、と思いその場で1本開けて飲んだ。
このとき、病状はだいぶマシになっていて多少の飲み食いはできるようになっていた。
で、調子に乗って缶ビールを一気に流し込んだのだ。
多分これがいけなかった。
そしてホロ酔いで飛行機に乗り、1時間ほどでバンコクに到着。
飛行機がまさに停止しようとしたときに私の体に異変が起こった。
数日前にあったような猛烈な吐き気と、さらに激しい動悸が襲ったのだ。
吐き気で苦しいのは数日前と同じだが、この動悸は尋常ではない。
明らかに体が何かアラームを出している。
とても立ち上がれる状態ではないが、客はもう降り始めている。
自分のいまの状態を英語でうまく表現してCAに伝えたいが頭がとても回らない。
ここは無理してでも立ち上がり、とりあえず飛行機から降りるしかない。
なんとかタラップを降り切ると、さらにまずいことが待っていた。
飛行機が着陸したのは空港ターミナルビルから一番遠いところ。
そこからバスでビルまで向かわなければいけない。
バスには乗客が既に乗り込んでおり、満員電車のような状態だ。
とにかく横になりたいのだが、この状態ではとても無理だ。
ドアにもたれかかって早く着いてくれ、と祈るばかり。
激しい動悸と吐き気が続く中、この混雑で吐くことだけは避けたい。
傍から見ればまさに顔面蒼白だったと思う。
バスに乗っていたのは10分もなかったと思うが、1時間くらいに感じられた。
ようやくビルに着き、出口まで歩くがいよいよ苦しくて足が前に出なくなった。
最後は通路を歩いている最中についに立っていられなくなり、倒れ込んでしまった。
空港のメディカルチームが飛んできて私は担架で医務室に運ばれた。
どんな検査をされたのかはよくわからなかったが、
夜中の2時くらいになってようやく会社の車に押し込まれホテルに帰らされた。
結局その後は仕事にならず、ホテルで1日休んだ後帰国したのだが、
帰国後も調子が良くなる⇒多めに飲み食いする⇒苦しくなる
というパターンが2度ほど繰り返された。
勤務先の指示で心電図とか血液検査とか一通りの検査は受けたが異常なし。
私はこれは絶対に消化器系の異常だという確信があったため、
最後に胃カメラ検査を受けることにした。
その結果、タイトルにある逆流性食道炎になっていることがわかったのだ。
この病気は胃酸が食道に流れ込み、食道の粘膜が炎症を起こしてしまうものだ。
通常、胃と食道の間には「噴門」という弁があり、胃酸が食道に流れることはない。
しかし私の場合はこの噴門の働きが弱っており、胃酸が食道に流れてしまった。
胃酸は強酸であるため、触れると食道はあっという間にダメージを受けてしまう。
異国でパトカーのお世話になった食事のときに最初の炎症が起こり、
治りきってない状態で空港でビールを一気飲みしたことによりぶり返したのだと思う。
その後の処置でようやく炎症が少し良くなったため症状は出なくなった。
だがそれは飲み食いの量をセーブしていることも一因だ。
暴飲暴食をすれば胃酸が大量に分泌され、食道を再び傷つける可能性が高まる。
実際にそれで再発させているから間違いない。
今後はそれだけは避けなくてはいけない。
噴門の働きが元に戻ればいいのだが、医者によるとこれは治らないそうだ。
だから症状がおさまったからといっても治ったわけではなく、
食道が炎症を起こしやすい状態はずっと続くということだ。
世の中の皆さん、40過ぎると体の異変がすごく起こりやすくなるのは
本当なので過信はせずに体を大切にしましょう。
人間ドックは必須です!