女の子の話その⑰ -アルバイトで出会ったEちゃん-
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私が北海道に住んでいた最後の年。
ある女の子がアルバイト先に入ってきた。
Eちゃんという子だ。
第一印象特に私の好みのタイプの子ではなく、ズキューンとなったわけではない。
のんびりした子で人懐っこく、人に優しい。
自炊もしっかりしていてちょっと家庭的。
そんな印象の子だ。
私がメイキング中心になっていたこともあって、話す機会も多く
RPG好きとかの嗜好が一致してたこともあってすっかり仲良くなった。
彼女は聞き上手で物腰が非常に柔らかい。
恋愛の対象ってわけじゃなかったんだが、だからこそというべきか
仕事が終わった後にたまに御飯食べに行ったりドライブしたりするようになった。
彼女は4つ年下で、私とは別の大学に通っていたのだが、
一緒にいて楽しいしすごく気持ちが楽なのだ。
別記事で書いたMちゃんとの関係とだいたいおんなじだ。
後に気になる子に進化するとはそのときは当然わからんわけで、
まったく異性として意識せず格好をつける必要もなかったから、
きわめて素のまま彼女と一緒の時間を過ごしていた。
Mちゃんのときもそうだったが、そういうときに限ってスムーズに事が運ぶ。
気付くと学校と仕事以外の時間は彼女といる時間が多くなり、
お互いに一人暮らしだったため、それぞれの部屋に遊びに行くようにもなっていた。
もちろん本当にゲームとかして遊ぶだけでその先は何もない。
私にその気がなかったのだから当然だ。
競馬場が近かったので馬を見にいったこともあったんだが、
そのときも彼女はサンドイッチを作って持ってきてくれた。
もう完全にデート仕様だ。
ある日、夜遅くに肝試ししに行ってみようか?ということになり、
郊外にある人気のない貯水池に2人で行ってみた。
確かに真っ暗で非常に怖い。
そして歩いているうちに自然に手を繋いでいた。
暗くて怖い場所だったことが距離を縮めたのかもしれない。
私も少しずつ彼女を意識し始めていたということなんだろう。
いつの間にか彼女がストライクゾーンの中に入ってきていたのだ。
確かに一緒にいて「可愛いな」と思えるようになっていた。
とはいえ関係が進展したわけではなく、その日はそこまでだ。
そしてまた別の日、彼女の部屋で2人でゲームして遊んだ後、
かなり遅くなったので私が帰ろうとすると、彼女が私に言う。
「もう帰っちゃうの?」
もう、って日付変わりそうなんだからそりゃ帰りますよ。
お互い一人暮らしとはいえ、さすがに泊まることは憚る。
でもこれは結構な殺し文句だ。
あれ、この子自分のこと好きってことなのかな?
玄関へ向かいドアを開けたとき、彼女は手を振りながら
「また来てね」
うーん、男性本能をくすぐられる。
自分自身も彼女のことが好きならここで結論を出していたかもしれない。
でも少し意識し始めていた程度の段階でそれはまだできない。
しかしここで別の女の子の話が交差することになってしまった。