ピザ屋の裏話その⑩ -学生時代のアルバイトはやるべき!-
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社会人になってもうだいぶ長い時間が過ぎた。
思えば最初にアルバイトをやったのは19歳のときのコンビニだった。
当時はまだ今ほどメジャーブランドの店舗数がなく、
場末のローカルコンビニも数多くあった時代だ。
そんなローカル店にはPOSシステムがないレジが残っていて、
会計は手打ちでやったりしていた。
まああれはあれで大変だったが、今のコンビニ店員の業態の広さには驚く。
時給1000円ももらえないのにあんなのこなせる気がしない。
・・・そんな経験から思うのは、学生時代のアルバイトは積極的にやった方がいい。
社会経験とか報酬をもらう喜びとか仕事の大変さを知るとかももちろんある。
でも一番は「多種多様な人間との交わり」だ。
高校も大学も受験を経て入学する。
そうすると同じ年齢のだいたい同じくらいの学力のやつが集まる。
就職だって似たようなものだ。
価値観も似ていて、話をしてもあまり広がらないことが多い。
私は高校生になったときにこれを痛感した。
中学のときはまさに玉石混合でとんでもない発言や行動を
するやつが必ずいて飽きなかったものなんだが、
高校は特に男子に面白味が感じられない。
まあアルバイトってのは試験もなくて簡単な面接だけなので、
年齢、通う学校、出身地もバラバラの人間が入ってくる。
自分の学校に通ってるだけでは絶対に知り合わないような人とも知り合えるのだ。
私が5年間いたピザ屋にもよくもまあこれだけ、という連中がたくさんいた。
大学生、といっても国公立もいれば名前も知らないような私大生もいる。
さらに専門学校生、高校生、フリーター、主婦、果ては会社員まで。
店に出勤すればこういう人たちの誰かと一緒に同じ目的をもって仕事をする。
これは学生アルバイトの立場でないとなかなか経験できない。
まあとにかくモノの考え方、目的、生き方、性格・・・見事にバラバラだ。
日々起こることも実に面白い。
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レーサーになるために金を貯めるという専門学校生
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明らかにヤンキーあがり
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1日で辞めちゃう主婦
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仕事終わりに副業で小銭稼ぎにくる会社員
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長く続けていつの間にか幹部みたいな立場になってるフリーター
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ある日突然妊娠が発覚するフリーター女
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初めて配達に出て迷子になり、泣きながら電話してくる女子大生
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生地を延ばしながらその週の競馬予想の講釈をし始める女子高生
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女の子を泥酔させて行った犯罪紛いの行為を自慢げに語りだす会社員
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そしてその武勇伝もどきを真剣に説教するフリーター
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息子のシフトの入れ方に親が文句をつけてくる専門学校生
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気に入らない客がいたと憤慨し店の壁に豪腕パンチで穴を開ける会社員
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2人で面接にきて採用され、1人が辞めるともう1人もなぜか一緒に辞める国立大生
普通に大学行ってるだけだとなかなか知り合えない実に濃い連中だ。
あまりに常識から外れてるのももちろんいるし呆れることも多々あるのだが、
だからこそ面白く、人間を見る目も養われ、少々のことでは驚かなくなる。
もちろん出会いの場としても優れているわけで、
学生サークルなんかより逆に距離を縮めやすい気がする。
居心地が良くなりすぎると学業が疎かになって、どっちが自分の本来やるべきことかを
見失ってしまうが(一時私はこの状況になりかけた)、生活のメリハリをつけるには
非常にいい選択肢だ。
自分で稼いだ金なら遠慮なく遊びにも使えるというのもいい。
こういう
"価値観も生き方も自分と全然違う人たち”
を学生のときに見ておいて良かった。