年末調整。-収入と所得ってどう違う?
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確定申告に行ってきた。
毎年のことだが物凄く混む。
特に今年は防疫面を考慮して会場が減らされていた。
私がいつも行く最寄りの手続き会場は設置されず、結局隣市まで行かされた。
まあ混雑するのはどっちにしても同じだ。
会場が減ったのだからなおさらだろう。
実際に大行列ができていたが、年配の人が圧倒的に多い。
若い人はe-Taxを使っているから、という理由もあるんだろう。
私は既に申告書を書き終えていたので、スンナリと会場に入れてもらえた。
どうやら行列していたのは、税理士の相談窓口を利用したい人たちみたいだ。
自営業の人があれだけ列をなすのだから、確定申告ってややこしいんだな。
私も毎年源泉徴収票と前年の控えを見ながら書いてるが、
素人なりに所得税の仕組みをある程度は理解しているつもりだ。
年末調整という仕組みがあるため、日本人の勤め人は税への理解が乏しいといわれる、
会社が全部代わりにやってくれるからだ。
自分が理解しているその内容について、少しだけ書いておこうと思う。
まずは年末調整。
サラリーマンが毎月引かれる所得税の額は、前年の所得をもとにした概算額だ。
だから次の年の所得が12月になって確定した段階で正しい所得税額が決まり、
概算されていた税額との差が12月給与で調整される。
払いすぎていれば戻ってくるし、足りなければ追加で払わされる。
これが年末調整の仕組みだ。
次に「収入」と「所得」だ。
これを混同している人は結構いる。
「収入」というのは税金とかが引かれる前の、文字通り入ってきたお金すべてだ。
サラリーマンは所得税をあらかじめ差し引いた給与が振り込まれるので、
この「収入」がどのくらいなのかを実感しにくい。
給与明細には書いてあるのだが、銀行の振込記録しか見ない人はそこまで確認しない。
「所得」は所謂「利益」のことだ。
自営業で考えるとわかりやすい。
飲食店であれば、収入とはつまり売上だが、売上を得るためには
店舗の家賃や水道光熱費、原材料費、従業員に支払う賃金など、
多くの経費が発生する。
売上からこれらのかかった経費を差し引いたものが「所得」にあたるわけだ。
サラリーマンは業務を行ううえでそういう経費が存在しない。
業務で必要なものは自分の財布からではなく会社の費用で処理するからだ。
タクシー代などを自己負担した場合でも、立替処理してくれる。
だが、サラリーマンにも経費として認められているものがある。
たくさんの種類があるが、主なものは
「給与所得控除」「基礎控除」「医療費控除」「扶養控除」「配偶者控除」などだ。
これらはサラリーマンでなくても適用されるものだが、重要な「経費枠」である。
基本的にはほとんど年末調整で処理してもらえる。
11月くらいになると、家族構成とか配偶者の年収とか生命保険料とか聞かれるあれだ。
但し医療費控除は会社ではやってくれない。
だから私は改めて税額を計算し直して、確定申告した。
かかった医療費から10万円を引いた額を所得からさらに差し引いて
税額を計算し直しましたんで間違ってなければ還付して下さい、ということだ。
所得税額は上のように計算された所得に税率を乗じて計算される。
日本は累進課税制度なので、所得が多い人ほど税率が高く設計されている。
よく脱税で告発されたりしている人がいるが、よくあるのは経費の水増しだ。
自分個人のために使ったお金を、経営のための経費と偽って申告するのだ。
そうすると見かけ上の「所得」が減るため、納税額が低くなるわけだ。
ほとんどの自営業者はきちんと正しく申告しているはずだと思うが、
収入はもちろん、領収書とか経費の記録残すのはきっと大変だろうと思う。
自分個人のためのものと事業のためのものを一緒に買うことだってあるはずだ。
そういう場合もきっちりと目的を明らかにして分類しないとダメなんだろう。
税の仕組みを理解するには本当はサラリーマンも確定申告させるべきだと思うが、
そうしたらきっと税務署パンクしちゃうんだろうなあ。