人生の雑記帳

思ったこと。気付いたこと。疑問。後悔。思い出。忘れたくないこと。そんなことを書き留めよう。

相続の手続その① -まず最初にやること-

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私は2年ほど前に母親を亡くした。

80を超えていたので若くはないが、もう少し元気でいてほしかったな、と思う。

通夜と葬儀も大変だったが、次に待っていた遺産整理もすごく大変だった。

一通り終わるまでに3ヶ月近くかかった。

 

親が元気なうちは意識することはないのだが、いざ親の死に直面すると

すぐに気持ちを押し殺して葬儀や遺産整理に没頭するのって結構難しいと思う。

私は幸いにしてすぐに切り替えができて、割とビジネスライクに進められたが

姉などは気持ちが沈み切ってしまい、とても頼むことができなかった。

家族仲が良いほど、そして女性の方が特に母親を亡くしたときは

立ち直りに時間がかかるものなのかもしれない。

母はいつでも自分の娘の味方だったから。

 

ほとんどの人が一度は通る道だ。

多くの人はさらにもう一度通ることになる。

相続、というよりも親が亡くなったときにやっておくこと。

具体的に私がやったことを書き留めておこうと思う。

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現代で人が亡くなるときの多くはやはり病院だろう。

私の場合もそうだった。

人工呼吸器の反応がなくなった時点で医者が臨終時刻を知らせてくれる。

集まった親族はここで初めて大切な人の死を受け入れなくてはならない。

静かに頷く人、じっと涙をこらえる人、慟哭する人・・・いろいろだ。

そうやってそれぞれの気持ちを形にして吐き出し、少しずつ落ち着きを取り戻す。

しばらくすると医者が死亡診断書をくれるはずなので忘れずに受け取る。

その後、葬儀の段取りだ。

事前に亡くなったらここで、という斎場は決めておいた方がいいだろう。

生前に本人に希望を聞いておくのもいい。

葬儀には予約も何もないから、よほどの偶然がない限りは空きがあるはずだ。

申し込むと間もなくして、遺体を引き取りにきてくれる。

そして遺体とともに斎場へ向かい、式の段取りを決めてしまう。

亡くなった時刻にもよるんだろうが、私の場合は死亡時刻が午後5時頃だったので

葬儀の打ち合わせが終わったのが10時過ぎだった。

その日のうちに段取りを決められるギリギリのタイミングだったかもしれない。

この打ち合わせの場で、死亡診断書のコピーを何枚か頼んでおくといい。

後の相続手続きとかで何回も必要になるからだ。

火葬の許可を役所にもらうのも斎場が代わりにやってくれる。

通夜と葬儀の日時が決まった段階で、お坊さんに連絡しておくことも必要だ。

どの寺に頼むのかも斎場と同じように事前に決めておいた方がベター。

 

そして通夜と葬儀だ。

ここはだいたい斎場の人が手厚くサポートしてくれるので心配ない。

しきたりとかわからなくても言われた通りにすれば大丈夫だ。

参列者の中には香典を包んでくれる人もいる。

ここは結婚式とかと同じで、誰がいくら包んでくれたかを忘れず記録する。

後で香典返しをするときに誰に何を送るのかの決め手になるからだ。

もちろんその場で金額を数えたりすると失礼にあたるので、帰ってからでいい。

そして喪主は挨拶を考えておかなくてはいけない。

一連の儀式の中で喪主が務める唯一にして最大の大役だ。

これ、悲しい気分の中で考えるのはかなり負担になる。

私は喪主だったので通夜と葬儀2回分の挨拶をすることになっていた。

両方来てくれる人も結構いるので、一応違う内容を準備することにした。

話しているうちに涙で言葉に詰まる人もいるだろうが、全然構わない。

自分の気持ちをストレートに出して話しているのが伝わることが大事だ。

 

葬儀の最後は出棺と火葬だ。

斎場は街中のいろんなところにあるが、火葬場は限られた場所にしかない。

やはり排気が出ることと縁起があまり良くない、という理由もあるんだろう。

だいたいは斎場から揃って車で移動する。

ここで最後のお別れをして一度火葬場を出る。

火葬には時間がかかるため、その間に食事をするパターンが多いのだ。

この食事をする場所も事前の打ち合わせで決めてある。

私はここでも3回目の挨拶が必要になった。

これは想定外だったので、喪主の人は注意しておいた方がいい。

そして食事が終わると火葬場に戻りお骨上げだ。

最後に再び斎場に戻って初七日の法要まで済ませてしまうことが最近は多い。

この日参列してくれた人に1週間後にまた来てもらうのは大変だから、という理由だ。

繰り上げ法要、というらしい。

 

ここまで終わると、後は四十九日、初盆、一回忌、三回忌、七回忌・・・と続く。

基本は斎場や寺に親族が集まってお坊さんにお経を読んでもらい食事をする。

葬儀からは間が空くので、準備はそんなに大変ではないと思う。

出席者や寺、斎場との日時の調整と食事場所の予約くらいだ。

法要を斎場で済ませた後、外で店を予約してそこに移動しても構わないし、

そのまま斎場内のレストランやケータリングを利用しても可だ。

そのあたりは柔軟に考えていい。

遺族として当日何を持って行けばいいのかも斎場の人が教えてくれる。

 

亡くなってから葬儀、法要までの流れはだいたいこんな感じだ。

死亡日から葬儀まではだいたい2〜3日なのでかなりドタバタするだろう。

仕事も1週間くらいは休まないといけない。

だが喪主としてはこここそが頑張りどころだ。

 

それにしてもこの一連の流れを経験して感じたのは、斎場の従業員のすごさだ。

日々、人の死と向き合うことを生業にしている人たちなわけだが、

人が非常にセンシティブになる場であることをよく弁え、実によく教育されている。

ビジネスはビジネス、気持ちを汲むところは汲む、とメリハリが効いている。

痒いところに手が届くような提案もたくさんしてくれる。

言葉遣いや出しゃばらないところも好感が持てた。

もちろん当たり外れはあるだろうが、私の場合は紛れもなく"当たり"だった。

近い将来訪れるであろう父との別れもここでやろう、そう思った。

 

葬儀が終わるとひと段落だが、第2の関門が待っている。

相続だ。

これについては別の記事で書いてみることにする。