ピザ屋の裏話その⑥ -いちいち電話かけてこないでくれ・・・-
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車で配達するときは当然だが道路を走る。
道路を走ると当然いろんな車と出くわす。
その中でちょっとイラッときた車の話だ。
私が配達のために車を走らせていると、前に1台のセダンがいた。
大通りではなく信号のない中通りで、やや長めの直線道路だ。
見通しは非常にいい。
にもかかわらず、ものすごく遅い。
自分の車を運転しているときなら自重できたかもしれないが、
ピザを運んでいるとどうもせっかちになっていけない。
おっせーなあ、とか言いながら、強引に抜いて先を急いだ。
ひと通り配達を終えて店に戻るとマネージャが私をみて聞いた。
「さっき〇〇条〇〇丁目あたり走ってた?」
「走りましたよ」
「『おたくの車、どういう走り方してんの!?』
ってクレームきたんだけど」
どうやら抜かれたノロいセダンが腹いせに電話してきたのだ。
まあ強引に抜いた私もよくなかったが、あれはいくらなんでも遅すぎだ。
10km/hも出てなかったんじゃないかな。
逆煽り運転といってもいい速度だ。
それを抜かれたからといってクレームつけてきたのだ。
私もうっかりしてた。
車の後ろにはデカデカと店名と電話番号が印字されているのを。
ちょうと携帯やPHSが普及し始めた頃だったことも災いした。
会社の看板を背負っているにもかかわらず、
その名に泥を塗ってる輩は世の中にゴマンといる。
このときは私もその仲間の1人だ。
まだ学生アルバイトの身分であり、そこまで気が回ってなかった。
客の前に出るときはさすがに気をつけてはいたが(別記事の澤部のときは例外)、
運転してるときはもう完全に私人だった。
勤務中は常にその会社の"顔"という意識を持たなくてはいけない、というお話。