人生の雑記帳

思ったこと。気付いたこと。疑問。後悔。思い出。忘れたくないこと。そんなことを書き留めよう。

阪急からオリックスへ〜強かった勇者は何処へ行ってしまったのか。

今の私は根っからのパ・リーグ党だ。

ヤクルトの記事でも書いたが、どうもセの野球への興味が薄れてきている。

交流戦日本シリーズでは悉くパにやられ、人気の面でも昭和の時代からは

考えられないくらいにパの勢いが強い。

セ・リーグが「セカンド・リーグ」と揶揄されて久しい所以だ。

DH制もあってとにかくパの試合が見ていて面白いのだ。

今や球界の盟主ともいえるソフトバンクが牽引している面が強いが、

他球団も王者ソフトバンクを倒すために実力、集客面で着実に成長している。

まさにリーグ全体で切磋琢磨している、といえる。

 

そんなパ・リーグの中にあってのオリックスだ。

もともと私は阪急ブレーブスのファンだった。

ヤクルト同様になぜ阪急だったのかは覚えていない。

多分あの赤いユニフォームがカッコよく見えたとかそんなんだろう。

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本拠地が西宮だったため試合を見に行く回数も非常に多かった。

私が小学生の頃はパはとにかく西武が強い時代だ。

毎年のように圧倒的大差で優勝されてしまう。

阪急が2番手で追うことも多かったのだが、夏場までついていっても

夏以降の天王山になると決まってコテンパンにやられる。

私が見始めてからの優勝は84年の1度だけに終わったが、

その4年後にまさかの身売りがあるとは思ってもみなかった。

 

阪急身売りのニュースは伝説のロッテ-近鉄ダブルヘッダーの試合中に知った。

同日には南海のダイエーへの身売りも報道されており、もう大混乱だ。

近鉄の試合は気になるわ、阪急と南海の行く末は気になるわ、

私はNちゃんのことが気になるわで大変な日だったのを覚えている。

 

身売り後は神戸への移転とブレーブスからブルーウェーブへの愛称変更で

かなり違うチームになっていったが、阪神大震災のときの連覇によって

身売りは決して悪いことではなかった、と考えることができるようになった。

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しかしいいことは長くは続かない。

次代を育ててこなかったツケが出て、イチローのメジャー移籍と合わせるように

強かった頃の面影すらない悲惨なチームへと変貌していった。

代わって台頭したダイエーにシーズンで4回も20点以上取られたのが悪夢の2003年。

特に8月1日の試合は29失点というもはや野球とは思えないスコアで大敗を喫している。

序盤の3回で23失点しており、呆れて帰ったお客さん結構いたんじゃないだろうか。

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そして2004年の球界再編騒動で近鉄と合併し、オリックス・バファローズになる。

私はオリックスファンではあるが、決してバファローズファンではない。

近鉄ではなく阪急が好きだったからだ。

だから私は「オリックスファン」とは言うが「バファローズファン」とは言わない。

もともと近鉄ファンだった人の中にはこの逆って人もいるんではないだろうか。

まあそんな捻れた歴史を持つオリックスなわけだが、強ければ文句はない。

しかし残念ながら合併以降も相も変わらず「弱い」のだ。

Bクラスは当たり前、息を吐くように最下位にいることもしばしばだ。

何を間違ったか2位になってしまったことが2回もあるのだが、

そのどちらもCSファーストステージで日ハムにあっさりと引導を渡される。

そして翌年は前年躍進の反動がきっちり出てビリ独走、というお決まりの流れだ。

CS創設以降、ファイナルステージに進んだことがないのは12球団でオリックスだけだ。

日本シリーズに出場していないのもオリックスただ1球団。

パ・リーグのお荷物と言われても何も言い返せない惨状だ。

 

2010年に就任した"どんでん"こと岡田監督の時代もやはりBクラスばかりだったが、

試合を見ていて非常に面白かったのを覚えている。

平野-岸田の方程式を確立し、後藤とT-岡田を中軸に抜擢した打線が当たった。

特に2011年は9月の怒涛の快進撃で3位まで見えたものの1毛差で西武に敗れる。

しかし見ていたファンとしては面白いチームになったなあ、と感じたものだ。

 

ここ5年は福良、西村体制で大砲がまったく育たず、機動力もロクに使えず、

あまりに打てない打線に、自慢だった投手陣が辛抱しきれず負けを重ねる、

という悪循環が続いた。

 

ようやく中嶋さんという"まともな"思考ができる人が監督になったので、

今年は少しだけ期待したいと思う。

贅沢は言わないからまずは4位くらいでいい。

Bクラスからいきなり躍進しても打ち上げ花火で終わるのは歴史が証明している。

2001年近鉄、2008、2014年オリックス、2015年ヤクルトなんかはその典型だ。

ケガ人が少なかったとか、選手のキャリアハイが重なっただけとか、

継続的に強さを持続できるものではなかったことがほとんどだ。

強いチームは故障者が出ても代わりの選手がきっちり仕事をしている。

主力の調子がいまひとつでも周りの選手がカバーしている。

とにかく急がなくていいから、選手層を厚くすることに力を注いでほしい。

非力なユーティリティなんて何人もいらない。

4番は外国人でいいから、日本人の大砲候補も下位打線で育ててくれ。

杉本でも大下でもいい。

T-岡田だってあの乙女メンタルなら下位打線でこそだ。

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打席の半分が三振でもいいからフルスイングできる選手を増やすことだ。

3年以内に優勝してくれ、なんて非現実的なことはオリックスファンは言わない。

もう25年も待っているのだから。

お菓子の作り方その① -ベイクドチーズケーキ-

私はお菓子づくりが結構好きだ。

理由は甘いものが好きだから。

よく作るようになったのは結婚してからだが、

もともと学生時代一人暮らしが長かったこともあってか

家事をすることへの抵抗が全然なく、料理⇒お菓子と自然に興味が流れた感じだ。

そんなに種類はないが、自分がこれまでに作ってみたお菓子の作り方について

簡単に書いておこうと思う。

ただのレシピではなく、本の通りにいかないところとか、こういうところは

解説してくれてないぞ、とかオリジナルなところも入れておくことにする。

 

最初は一番簡単にできると思われる「ベイクドチーズケーキ」だ。

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材料は至ってシンプル。

  • クリームチーズ・・・200g
  • 砂糖・・・60g
  • 薄力粉・・・25g
  • 卵・・・2個
  • 生クリーム・・・200g
  • レモン汁・・・少々

たったこれだけ。

作り方も非常に簡単。

全部混ぜて焼くだけだ。

 

・・・さすがにこれではアバウトすぎるのでもう少しちゃんと書く。

  1. クリームチーズはまず室温に戻す必要がある。冷蔵庫から出したばかりだと固くて生地ができないからだ。これが結構時間がかかるので、いざ思い立って作ろうとなると結構待たされる。だから私は少しだけレンジにかけたり湯せんしたりして時短に努める。とにかくチーズが柔らかくなりさえすりゃOKだ。
  2. ここに砂糖をブチ込んで泡立て器でとにかくよく混ぜる。
  3. 混ざったら薄力粉⇒卵⇒生クリーム⇒レモン汁を順に投入してまた混ぜる。
  4. 丸いケーキ型にクッキングシートを切って敷いておく。焼きあがったときに生地が型にくっつかないようにするためだ。側面は貼りつけないといけないが、バターは高くてもったいないので私はサラダオイルを塗って糊にしてる。
  5. 180℃のオーブンで40分くらい焼く。
  6. 焼けたら粗熱を取って冷蔵庫で冷やす。

焼きたてを温かいまま食べてもおいしいとは思うが、私は断然冷やし派だ。

冷やした方が生地がしっとり締まって食べ応えがあるからだ。

これ、以前フィラデルフィアクリームチーズを買うと箱の裏とかに

レシピが書いてあったやつほぼそのまんまだと思うんだが、今もあるんかな?

私がこれを気に入ってるのはおいしいのと簡単なのももちろんあるが、

買った材料をキレイに使いきれるところだ。

クリームチーズも生クリームもだいたい200gが標準だ。

卵も全卵そのまま使えるし、変に余らないのが非常にいい。

そしてお菓子や料理全般にいえることだが、あまり分量にこだわらなくていい。

私は甘くなりすぎるのが嫌なので、本に書かれてる砂糖の量からかなり減らしている。

粉とかも少々多くても少なくてもそんなに出来栄えに大きく影響しない。

分量のストライクゾーンはかなり広いと思ってよいのだ。

オーブンも温度が少々違ってても時間で調整可能だし、

取り出してみて足りないかなと思えば延長すればいいだけだ。

オーブンは同じ設定でも庫内の広さとか電気かガスかでもかなり機差が出る。

とにかくレシピは参考程度で自分の五感で判断しながら気楽に作る。

家庭で食べる分には売りもんじゃないのだから、細かいこと気にしなくていいのだ。

 

こんな調子でいくつかお菓子の話を書いてみることにする。

資格の話その① -QC検定-

私は大して自慢できるような資格は持っていないが、数少ない資格の1つがQC検定だ。

正式には品質管理検定と呼ばれる。

私が持っているのは2級だ。

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国家資格ではなく、民間団体である日本規格協会が主催する資格試験であり、

大卒相当のエンジニアならば2級の取得が妥当だろう。

2級の場合の合格率は20%前後とされているので、難関と呼ばれる国家資格と比べれば

割と合格率は高い方だといえる。

まだ歴史は浅く、制定されてから20年も経っていない。

しかし、品質管理の基礎になる知識を有することを示す資格として

近年取得を推進する企業や個人が非常に増えてきている。

主にはモノづくりをする企業が多いみたいだが、サービス業なんかでも十分通用する。

その中身の半分は統計学だからだ。

QC検定では"手法編"と呼ばれる統計学に関する部分と、

"実戦編"と呼ばれる品質に関する国際規格ISO9001や改善の考え方

とかの知識を問われる2本立てだ。

統計学というのは非常に面白い学問だなと思う。

答えをひとつに絞るのではなく、ばらつきを容認して「可能性」を探るものだからだ。

2級の統計学に関する部分である"手法編"を分類すると

  • 正規分布

  • 回帰分析

  • 推定・検定

  • 実験計画法

  • 抜き取り検査

  • 管理図

  • 相関分析

  • QC7つ道具

こんな感じになる。

合格ラインは正答率70%だが、"手法編""実践編"それぞれでも50%が要求される。

言い換えれば結構捨てても合格できる、と考えても良いのだ。

私は実験計画法がサッパリ理解できず、最低限のとこだけ覚えてあとは捨てた。

それでも合格できたので1つや2つわからないところがあっても何とかなるのだ。

回帰分析や推定・検定、相関分析は定義式を覚えるのが大変なんだが、

選択式試験なので仮に式の意味がわかってなくても、覚えてしまえば攻略できる。

このへんはQC7つ道具も似たようなものだ。

どのツールがどういうときに使うものかをわかってさえいれば大丈夫だ。

 

ちゃんと理解してないと答えられないんじゃないかな、と思えるのが残る3つ。

正規分布、管理図、抜き取り検査だ。

 

正規分布

統計学の基本中の基本。

さすがにこれがわかっていないとQC検定の資格を取れても意味ない。

最も問われやすいのはやはり分布の山の形を視覚的に捉えて評価することと

標準偏差との関係性だろう。

標準偏差の3倍(俗にいう3σ)と分布の山の端っこがだいたい同じ値になる、という

特徴を知っているだけでも全然違う。

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これがわかっていれば工程能力指数(Cpk)の意味も多分わかるはずだし、

Cpk≧1.33がなぜ要求されるのか、のいうことも腑に落ちる。

受験生がよく使う"偏差値"もこの正規分布の考え方をもとにしたものだ。

 一からの勉強で2級を目指す人はまずこの正規分布のマスターを薦める。

 

管理図

主に折れ線グラフに測定値を打点していき、管理限界線がどこになるか、

打点がどういう並びになったら異常なのか、測定対象に対してどの種類の

管理図を使えばいいのか、ということが問われる場合が多い。

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まあこれも管理図の種類、管理限界線が合否を決めるラインではないこと、

管理図ごとにある管理限界線を決めるための公式を覚えてしまえばだいたいOK。

 

抜き取り検査

抜き取り数の求め方よりも、OC曲線や生産者リスク、消費者リスクの

意味を理解しておく方が大切。これがわかっていないと抜き取り検査をすることの

メリットとデメリットを理解できないからだ。

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まあ学生時代の進路で理系を選択してきた人にとってはそれほど難しくはないはずだ。

合格率20%といっても記念受検的な人もいるし、ノー勉で受けに来る人も多い。

常識的な範囲で勉強さえしていればかなりの確率で通る試験だと思っていい。

この資格を取得する過程で得られた知識は実際の仕事でも必ず役に立つ。

例えば2台の装置で作ったものの寸法の分布を比べてみて、両者は果たして

同じといえるかどうか、なんてのは有意差検定のスキルを身に着けていれば

客観的に判定することができるからだ。

 

試験は毎年3月と9月に実施される。

年2回しかないわけで、せっかく受けるなら一発で合格したいものだ。

ヤフオク!の話その① -ネットオークションを上手に利用しよう-

中古市場が活発になって久しい。

2000年以前にも中古屋はあるにはあったがゲームソフト、家電、本など

一部業界の実店舗がいくらかあっただけで、取引数はそれほどでもなかった。

やはりネットオークションの普及によるところが大きい。

今やヤフオクだけでなくメルカリ、ラクマなどオークションやフリマ花盛り。

実店舗に売るより確実に高く売れるし、何より端末ひとつで売買できて楽だ。

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私も20年くらいヤフオクを愛用している。

初めのうちは落札専門だった。

出品に金がかかることが一番の理由だ。

出品したければプレミアム会員にならないといけなかった。

月額500円くらいかかるのだ。

だがメルカリというライバルが現れてから、ヤフオクの姿勢に変化が生じた。

プレミアム会員にならなくても出品ができるようになったのだ。

但し会員かどうかによらず、出品時には出品手数料という「みかじめ料」を取られる。

会員だと売上の8.8%、非会員だと10%だ(今後見直される可能性はある)。

非会員だと少々高くなるものの、ハードルはかなり下がった。

毎月コンスタントに売るものがあるわけではない私にとっては

売上の10%を取られても、固定コストを払わずに出品できるメリットは大きい。

 

オークションをやっていると取引した人たちからの評価が積み上がっていく。

私の現在の評価は300くらいだ。

ほしいものがあるときだけ落札し、売りたいものが出たときだけ出品しているので

生業にしている人のように何千点も評価があるわけではない。

良い評価をもらえたら1点上がり、悪いと評価されると1点下がる、という仕組みだ。

ほとんどが良い評価だが、悪い評価をもらってしまったことも残念ながらある。

当たり前だが、悪い評価はもらいたくはないものだ。

良い評価だけをもらえるように、ヤフオクで注意すべきことを書いておきたい。

 

  • 商品説明は丁寧に

当たり前のことなんだが、全然できていない出品者が結構多い。

説明が1行だけ、ってのもいる。

キズとか破れはないのか、ちゃんと動作するのか、どのくらいの期間使ったものか。

少なくともそういう情報は買う方からすれば必須だろう。

特に落札する側にとって都合の悪い情報は積極的に開示すべきだ。

ほんのわずかな不具合であっても正直に書いておけば信頼にもつながるからだ。

 

  • 価格設定は相場をよくみて

まあこれは評価とは関係ないのだが、売りたいものを売れるようにするためには

市場価格というものを把握しておかないとなかなか売れないものだ。

1000円でコンスタントに売れているのに5000円で出品しても誰も買わない。

但しあまり市場に出ていないものであれば、様子見で高めに設定してもいい。

ほしがる人は結構いるのに、あまり出品されていない場合もあるからだ。

もちろん付加価値があると判断した場合には強気の価格設定をしてもいい場合がある。

同じ本がたくさん出品されているが、自分の商品には作者のサインがある、とか、

ゲームソフトやCDなんかにある初回盤限定の装丁、とかだ。

同じような商品は検索すれば出てくるし、過去の落札価格もボタン1つでわかる。

ある程度「これくらいなら売れるんだな」と見積もってから出品するのがベターだ。

 

  • 写真はできるだけ効果的に使う

ヤフオクの場合、標準の出品フォーマットなら写真は10枚まで使える。

チケットとか1枚で事足りてしまうものもあるが、電化製品とかになると

別角度から撮った外観だったり、内部の様子だったり、

いろんな写真をできるだけ載せる方がいい。

買う方も判断する材料は多い方がいいのだから。

 

  • 送料はできるだけ安く

ネットオークションが実店舗に劣るのが送料がかかる点だ。

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送料が高いと売れにくいし、買いにくいものだ。

事前に梱包サイズや重さを調べて、一番安い方法を選択する。

普通郵便で送れるものをわざわざレターパックにする必要はないのだ。

特に安価な商品だと数円の送料の違いで入札されなかったりする場合だってある。

買う方は同じものを買うのなら1円でもトータルで安い方を選ぼうとするからだ。

私がよく使うのは、クリックポスト。

日本郵便のサービスで全国一律198円(価格がよく変わるので注意)。

A4サイズ以内、厚さ3cm、重さ1kgまでならOKだ。

そしてクリックポストのいいところは追跡ができること。

これが普通郵便にはないメリットだ。

少し大きいものになるとゆうパックのおてがる版を使う。

これも日本郵便の宅急便サービスだが、おてがる版というのは

ヤフオクと連携したサービスで、送料が通常配送よりも安く抑えてあるのだ。

私の場合はほとんどの出品物はこのいずれかで設定している。

どちらも宛名書きが不要なのもいい点だ。

 

  • 落札後の手続きは速やかに

これももう当たり前のことだ。

自分が落札した場合はできるだけ早く住所連絡と入金を済ませる。

出品側なら入金確認できたらすぐに発送する。

商品説明に「48時間以内に入金下さい」とか「入金後1〜2日以内に発送します」

とか書かれていることが多いので、最低でもその期日は守る。

止むを得ず遅れる場合には取引メッセージを必ず入れることだ。

見ず知らずの者同士が取引をするのだから、

1週間経っても連絡ひとつよこさないような人はとても信用できない。

 

  • 評価は必ず入れる

特別な事情がない限り私は相手を原則的に評価することにしている。

自分も評価してもらいたいのであれば当然のことだ。

自分が落札者の場合は商品が到着したらこちらからする。

出品者の場合は相手から評価されたらこちらからも評価を入れる。

評価不要という断りがあればもちろん別だ。

 

  • 質問に答えるかどうかは内容次第

出品をしているとたまに質問を入れてくる人がいる。

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入札意思があるから質問してきている、とは思わない方がいい。

いかにも答えてくれたら入札しますよ、という思わせぶりな質問をしてきたのに、

期待して答えてもいつまでたっても入札してくれない、なんてことは日常茶飯事だ。

とはいえ、商品説明や写真で判断できないことを聞いてこられたら

できるだけ真摯に答えるようにはしている。

逆に読めばわかるようなことを聞いてくる人には答えない。

商品説明すら読まないで聞いてくるような人とは取引したくないからだ。

 

こんなところだろうか。

ネットオークションは取引の相手がどんな人かがわからない。

だからこそ隙を見せないように周到な準備が必要だ。

曖昧な写真や説明だと揚げ足を取られてトラブルに巻き込まれる可能性だってある。

もしトラブルになってしまっても決して感情的にならず、

落としどころを提案して速やかに解決を図ることだ。

私も注意していたつもりが何度か嫌な思いをしたり、

逆に相手に迷惑をかけてしまったことがある。

そのへんの経験については別の記事で書いてみようと思う。

ピザ屋の裏話その② -メイキングのお仕事-

さて、ピザ屋のもう一方のお仕事であるメイキングについてだ。

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店側はアルバイトを募集する際に男女の区別はしていないのだが、

どうしても面接希望者がデリバリーは男、メイキングは女が大多数なので

実業務も必然的に男女の住み分けができてしまう。

私も例に漏れずデリバリーで入ったのだが、3年くらい経過して

店舗内の仕事を一通り切り盛りできるようになると

お前メイキングやってみるか?とマネージャからの指令が下った。

時給もほんの少しだけど上がるし、女の子と一緒の時間増えるしいいか、と承諾。

 

ここからは二足の草鞋だ。

日によって男組で外回りか、女の園でぬくぬくするかのどちらかだ。

日によっては途中から衣替えという変則パターンもある。

昼間はジャンパー着てバイクに乗り、夜になるとエプロンつけて厨房だ。

まあそれはともかくとして正直仕事は断然メイキングの方がハードだ。

デリバリーは配達中は運転して届ければいいだけなので、そんなに体力はいらない。

注文の電話を受けるのはデリバリーもやるが、ピザができあがるまでは

そんなにやることがない場合も多いので、休憩室で待機していることもある。

メイキングは注文がひとたび入れば生地を伸ばし、ソースを広げてトッピング。

そしてオーブンに投入して5分で焼きあがると箱に入れるまでが一仕事だ。

この間に次の注文が入ると一息つける時間はほとんど取れない。

そもそも生地が足りなくなれば冷蔵庫から出してこなきゃいけないし、

トッピングの仕込みもあるし、空いた容器の洗い物だってある。

デリバリーは店内にいる間は地図で配達場所を確認するだけだからすぐに終わるが、

メイキングは1つの注文に対してやる仕事も雑用も非常に多いのだ。

女の子ばかりがこんな体力使う仕事やってんのかあ、と少しばかり驚愕した。

これ、一般家庭の家事全般にもまったく同じことがいえる。

妻に任せっきりの男性諸君は一度やってみたらわかると思う。

すんごい大変だから。

 

それでも時給はデリバリーの方が高い。

配達という「命の危険もある仕事」と「ケガしても火傷程度の仕事」の差なんだろう。

まあみんな楽しそうに仕事してたんで、あんまり気にしてなかったみたいだけど。

 

この仕事をしていて、もうひとつ困ったのは食事の時間だ。

シフトが1日中とかになると休憩時間が入るのだが、半日だと休憩がない。

デリバリーは上でも書いたが、配達に出掛けるまでに少しばかり時間があるので

その間にコンビニ弁当とか出前とかを掻きこむことができるからまだいい。

問題はメイキング、特に女の子だ。

私は注文のほんの切れ間とか、オーブンで焼いてる5分の間とかで

立ったままラーメン食べたりしてたが、さすがに女の子にそれはさせられない。

彼女たち1人ずつに「ゆっくり食べてきていいよ」と伝えて休憩室に入らせ、

その間は残ったメンバーで回す、という方法をとっていた。

協力して譲り合わないとおちおち御飯も食べられない仕事だったのだ。

 

まあでも配達だけじゃなくてメイキングを経験していて良かったと思う。

私が家事をよくやるようになったのも、結婚できたのもこの仕事のおかげだ。

今でも体がよく覚えていてピザは作れるし子供たちも喜ぶ。

人が大勢集まったりパーティーのときなんかも実に画になるメニューだ。

仕事でやったこともないくせにカッコつけてスピンやったりもしちゃう。

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学生時代の経験が人生のアクセントになってる気がするな。

 

雛祭り -雛人形ってどうやって処分する?-

今週のお題「雛祭り」、ってことで思うところを。

私には姉がいるので雛人形には思い出がある。

なんといってもとにかく華やかだ。

私が子供時分の頃の家庭というのは高度成長期の名残が残っていて

庭付き一戸建て、ピアノ、そしてデカい雛人形が定番だった。

うちにあったのも例にもれず立派な7段飾りだ。

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どの人形がなんて名前でどんな職務なのか、とかはどうでもよかった。

人形よりもカラフルな菱台や本物っぽいお膳、嫁入り道具の一式なんかが

もう眺めているだけで楽しかった。

精巧に作られたフィギュアを見ているような気分だ。

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親はこれを毎年3月になると座敷に組み上げていたわけだが

非常に時間がかかって大変そうだった。

そりゃ7段もあるんだから、雛壇作るだけでも大変だわな。

そしてこれを組むとものすごくスペースを取る。

2畳分くらいあったんじゃないだろうか。

 片づけることも考えたら心が折れそうだ。

これだけ大きいと長いこと出しておくと邪魔にもなるもんだから

出しても1週間くらいでそそくさと片付けてたんじゃないかな。

 

そんな我が家のお雛様も姉が大きくなってからはまったく日の目をみなくなった。

そして先日、遂に処分しようということになり、困った。

魂が宿ってるって感じの人形だ。

燃えるゴミに出すのはさすがにできない。

捨てたそのままの姿で夜に枕元に帰ってきそうで怖い。

そうなると選択肢は以下の3つだ。

  1. 寺とかに頼んでお炊き上げしてもらう
  2. 保育園や児童養護施設に寄付する
  3. 近所の人にあげる

 とりあえず1は最後の手段だ。

まずは3からいこう。

お隣さんの若夫婦に聞いてみると、なんとあっさり「下さい」と。

7段飾りがどんなもんか知ってて言ってるんだろうか?

でももらってくれるわけだからこちらも喜んで差し上げた。

で、やっぱり開けてみてモノのでかさに閉口したらしい。

家も昔とは違ってやや小ぶりで、とてもあの要塞を置けるスペースはなさそうだ。

結局後で聞いたら保育園か施設かに寄付したとのこと。

そりゃそうだろう。

でも引き取ってくれるところがあって幸いだわ。

 

今はなんでもコンパクトなものが好まれる。

うちみたいにデカい雛人形の処分に困ってる家も多いだろう。

他の人たちはどうやって処分してんのか気になるね。

女の子の話その⑥ -夢のような日々、そして暗転-

↓ 前回のお話 ↓ 

donchang.hateblo.jp

晴れてNちゃんとの交際がスタートした。

「ずっと大好きだったNちゃんという彼女がいる自分」という現実を噛みしめる毎日。

これだけで何杯でも御飯が食べられそうだ。

かといって特段行動様式が変わるわけではない。

お互いにまだ16歳というちょっと大きいだけの子供だ。

部活終わりに一緒に帰ることが共有できる大切な時間だった。

所謂、"放課後制服デート”だ。

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そのうちまっすぐ駅に向かわず、途中の公園で一緒に過ごしてから帰るようになった。

そしてさらに朝の登校時にも、車両とドアの位置を決めて待ち合わせるようになった。

こうしてできるだけ2人の時間を増やしていった。

どこからどんな情報が伝わっていたのか知らないが、あのマネージャのJちゃんが

「あんたたち、1年生のカップルの中で2番目に評判いいよ!」

という、謎の序列を教えてくれた。

微妙な評価だが、2番目というのが妙にリアリティがあり、

例えリップサービスだとしても素直に嬉しく思った。

今更だが「1番目」が誰だったのかが気になって仕方ない。

 

付き合い始めて間もなく、Nちゃんは私にあるコンプレックスのことを話してくれた。

先天的なものなのか、ケガがもとなのかはわからないが、片目の下だけ色が

少し違っていて、俗にいう"青アサ"や"青タン"のようになっていたことだ。

もちろん私も気付いてはいたが、きっと早目に私に確認しておきたかったのだと思う。

気にして当然だろう。

隠せる場所ではないし年頃の女の子ならなおさらだ。

たまに治療のためか目の下にガーゼや絆創膏を貼っていた日もあったのを覚えている。

クラスの一部の男子が彼女の目について、心無い陰口を言っているのを

耳にしたことがあり、まるで私がけなされた気分になったものだ。

私は彼女の目のことなどまったく気にならなかったが、

彼女がそのことを気にしていつも下を向いているような子だったら

私は好きにはならなかったんじゃないかと思う。

それどころか、本人はきっと気にしているはずなのに、それをまったく感じさせず

明るく自然に振る舞う彼女にますます惹かれた。

私はそういうNちゃんを"まるごと"好きになったのだ。

 

そして2か月が過ぎた。

Nちゃんが隣にいる毎日にも少し慣れ、緊張することはなくなった。

しかし彼女が好きだという気持ちだけは少しも色褪せることはなかった。

ある日の学校の帰り、歩きながら思い切って彼女と手をつないでみた。

彼女は強くギュッと握り返してくれた。

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2学期の終業式の日、クリスマスも近かったことで彼女は贈り物をくれた。

自分の髪を束ねていた緑色のリボンだった。

色とかそのもの自体にどういう意味を込めてくれたのかは忘れてしまったが、

もらうときに何かメッセージを話してくれた記憶はある。

そして冬休みのある日、私はNちゃんと初めてのキスを交わした。

年明けのバレンタインデーにも彼女は手作りのチョコレートをくれた。

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リボンもチョコの容器も私は大切にしまっておいた。

 

そして2年生になり、彼女とはクラスが離れてしまった。

4月のある日、中学から仲が良かった男子がやってきて気になることを言った。

「この前お前の彼女が他の男子と歩いて帰ってるとこ見たけど・・・大丈夫なん?」

私は絶句した。

表に出さないようにはしたものの、心は明らかに動揺していた。

女の子の話その⑤ -告白、そして交際-

↓ 前回のお話 ↓

donchang.hateblo.jp

女神の名はKちゃんといった。

彼女はNちゃんと非常に仲が良く、休み時間は2人はだいたい一緒だ。

なので私はKちゃんとも非常に仲が良かった。

Nちゃんとタイプが違い、のんびり喋るちょっと上品なお嬢さん、という感じの子だ。

私は意識しすぎて教室でNちゃんに気軽に話しかけられなくなってしまっていた。

だから休み時間になると、私は女の子といえばKちゃんと話をする機会が多くなった。

Kちゃんと一緒にいると以前ならNちゃんもその輪に入ってきたのだが、今はこない。

Nちゃんもちょっと意識はしていたみたいだ。

そんな状況の中、Kちゃんが不意に私に言った。

「あんたあの子誘って一緒に帰ったんでしょ?」

「『何も言ってくれないのかな』ってガッカリしてたよ?」

Kちゃん、それ本当!?

私は努めて冷静を装って確認した。

つまりNちゃんは私が告白するのを待ってくれていた。

そういうことだ。

答えが怖くてチャンスを生かせずにいた私にとってこれ以上ない情報だった。

もういたずらに時間をかける必要はない。

私はその日の清掃時間、クラスのみんながバラけた隙を見てNちゃんに伝えた。

「放課後、4時に教室の前で待っててもらえる?」

Nちゃんは黙ってうなずいた。

そして授業が終わった。

私は部活の準備を急いで終え、時間に合わせて教室へ向かった。

Nちゃんは約束通り待ってくれていた。

もう躊躇する理由はない。

私は着いて息を整える前にNちゃんに自分の気持ちをストレートに伝えた。

「ずっと好きだった・・・だから付き合ってもらえないかな」

「うん、私も」

これまでの私の人生でこれほど幸福感を感じた瞬間はいまだかつてない。

16歳という年齢、学校という舞台、若さゆえの数々の困難がそう感じさせたのだろう。

目の前がバラ色になる、とはきっとこういうことを言うのだなと思った。

本人によると、1学期の途中から私のことを意識してくれていて、

体育祭の打ち上げの席で自分の気持ちがわかったの、と話してくれた。

 

この日、Nちゃんがついに私の初めての「彼女」になってくれたのだ。

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女の子の話その④ -告白への道のり-

↓ 前回のお話 ↓ 

donchang.hateblo.jp

クラスメイトには隠そうとして逆にバレてしまったが、

部活の連中にはNちゃんに対する私の気持ちはしっかり伝えていた。

そしてある土曜日、練習前に男ばかりで集まっていたところに、

マネージャのJちゃんがやってきて話の輪に入ってきた。

「それじゃ私が間に入ってNちゃんて子に話してあげようか?」

JちゃんとNちゃんは出身中学もクラスも部活もすべて違うため、まったく接点がない。

にもかかわらず困っている私のために手を貸してくれるというのだ。

「じゃ、今日部活終わったら一緒に帰ろう、って伝えてくれない?」

「いいよ、わかった!」

もはや天使にしか見えない。

危うくJちゃんを好きになってしまうところだった。

もちろん練習中は気もそぞろ。

そして3時頃部活が終わり、急いでJちゃんに結果を聞きに行く。

「部活終わるの遅くなるけどそれでもいいならいいよ、って」

終わるのが6時頃になるらしい。

もちろん何時間でも待ちますよ。

Jちゃんに再びお願いして伝えてもらった。

 

そして3時間近く、私は部室で時間を潰すことにした。

時間が経つのが非常に遅い。

彼女の使う部室は私が待っている部屋から通路を隔てて目の前にある。

薄暗くなり、外で何人かの女の子の声が聞こえてきた。

窓から覗くと小柄な子が1人、ポツンと立っているのが見えた。

間違いなくNちゃんだ。

Jちゃんが作ってくれたまたとないチャンス。

私は激しくなる鼓動を抑えながら思い切ってドアを開けた。

「今日は急にごめん、来てくれてありがとう」

「ううん、いいよ」

最初にそんな言葉を交わした気がする。

その後は何を話したかまったく覚えていない。

Nちゃんが私と2人きり、並んで歩いてくれているという現実。

信じていいのかな、と本当に思った、夢のような時間だった。

学校から駅までは歩いて10分くらいだ。

そして電車でまた10分くらいでNちゃんが降りる駅に着く。

私の駅はその1つ向こうだ。

2人で電車に乗り、ようやく私は気付いた。

このまま別れてしまったら、一からまたやり直しだ。

思い切って告白するか迷ったがやっぱりできない。

ならばせめて次につながないと。

彼女の駅に着く直前になってやっと言葉が出た。

「月曜日も一緒に帰らない?」

「うん、いいよ、じゃバイバイ」

彼女は笑顔を残して帰っていった。

なんとかつながった。

しかし・・・翌日もまたチャンスを生かすことができなかった。

別れ際にまた聞いてみた。

「ごめん、明日も一緒にいいかな?」

「いいんだけど、明日から部活の帰りがかなり遅くなるから時間的に無理かなあ」

さすがにこう言われると待ってるから一緒に帰ろう、とは言えなかった。

結局2回、彼女と30分余り2人で過ごすことができたが、何も伝えられなかった。f:id:Donchang:20210226093551p:plain

 

いよいよ万策尽き、なんとか直接呼び出して気持ちを伝えるしかなくなった。

結果を怖がってばかりいては何も進まない、そう意を決した。

そんな中、クラスの中に私を窮地から救ってくれる女神が現れた。

ピザ屋の裏話その① -デリバリーのお仕事-

私は大学生のとき、ピザを売る店でアルバイトをしていた。

気付くと5年くらい続けていた。

私の名誉のためにいうと留年したわけではない。

そのくらい仕事と職場の雰囲気が自分に合っていた、ということだろう。

当時は今と違って

  • 注文は電話かFAXのみ
  • クオーターメニューがまだない(当時はハーフ&ハーフもまだ珍しかった)
  • スマホがないので配達時に居場所が特定されない
  • 支払いはすべて客の自宅で現金のやり取り

というかなりアナログな時代だったが、だからこそのびのびできたともいえる。

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ピザ屋、といえば今もあちらこちらに林立している。

ピザーラピザハット、シカゴ、ドミノ・・・それだけ売れるのだろう。

余計なお世話だが、ピザ屋にいるときに全然注文が入らない時間帯があり、

こんなんで店やっていけんのかな?と心配したことがあった。

ピザというのは食材原価はそんなに高くない。

生地とソース、それからトッピングが何種類かあればよく、冷蔵すれば数日はもつ。

今の店はサイドメニューが多くて大変そうだ。

何の商売でも同じかもしれないが、原価のうち最も高いのはやはり人件費だ。

特にデリバリーと呼ばれる配達員にかかる費用が大きい。

1回の配達で10件回れるならいいが、そんなに注文はこない。

配達先が複数あったとしても方角が正反対、ということもある。

だいたいの場合が1回出かけて1件配達して帰ってくる、というパターンだ。

距離にもよるが、20分は帰ってこないことが多い。

コンスタントに注文がきても1時間に3件程度の配達しかできないのだ。

 

逆にいえば、宅配ピザが高いのはこの人件費に起因している。

ピザが食べたくなった人が全員店舗に買いに行くのなら

もっと安く販売できるはずなのだ。

だが、家にいながらにして熱々のピザを届けてもらって食べる、

という消費スタイルが既に根付いている。

要はあのバカ高いピザの価格には、消費者側が「買いに行かなくて済む」という

付加価値が多分に含まれている、というわけだ。

あの価格設定もそういう需給バランスで決められている。

今以上に安くすると注文が入りすぎて配達が追い付かず客を待たせすぎてしまう。

高くすれば注文がこない。

ほとよい注文数とデリバリーの回転率のバランスで成り立っているのだ。

 

前置きが長くなったが、私は19くらいのときに店に入った。

前記の有名どころではなく、場末の弱小ローカルチェーンだ。

でもある程度のリピート客はついており、それなりに売上はあった。

当時の私は車の運転免許を取ったばかりで、とにかく運転がしてみたかった。

北海道では雪が積もってない季節はバイクも併用されるが、冬季は全部車だ。

運転の練習もできるし、メイキングスタッフの女の子とも仲良くなれるし、

なかなかいい仕事の選択をしたかな、と思ったものだ。

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配達の仕事はもちろん注文されたピザを届けることだ。

電話で注文が入ったら、店内に貼り出されたバカでかい地図をまず見る。

そして客の住所と店の位置関係を確認して、行き方を覚える。

出かける前に同じ方角から注文がくれば待って一緒に持って行くこともある。

その場合は2つの住所への行き方を頭に入れなくてはならない。

 

ピザ屋はクリスマスと正月が一番忙しい。

それぞれの需要源はパーティーとゴロ寝だ。

このときばかりは2件どころではない注文を1人で捌かないといけなくなる。

景気が良かった時期に1度だけ8件の注文をまとめて持って行ったことがあった。

助手席に積み上げるのだが、もはやピザの斜塔だ。

急ブレーキなんてかけようもんなら倒壊してチーズが生地の外に流れてしまう。

そしてさすがに6件目くらいになると行き方が頭からすっかり飛んでいる。

スマホなんかないのでGPSもグーグルマップも当然使えない。

車に積んであるゼンリン社製の地図を見ながら客に電話して場所を確認するのだ。

そんなこんなで8件の配達が終わったのが出発してから実に2時間後だった。

 

まあこんな感じで配達のスキルを高めていくわけだが、

慣れてくると店から客の家までの道のりを"線"ではなく"点"で覚えられるようになる。

配達区域内に「ここなら地図見なくてもいけるな」という場所をいくつも作るのだ。

所謂"ランドマーク"、つまり目印だ。

1件の配達につき目標のランドマークとそこからの行き方だけ覚えればよくなり、

頭に詰め込む情報量が格段に減る。

 これが区域内に満遍なく散らばるようになればデリバリーとしては一人前だ。

 

ここまでがデリバリースタッフの主な仕事だ。

もちろん配達に行ってないときは電話も受けるし、

生地の仕込みやピザを入れる箱の組み立てなんかをやったりもする。

なんもないときはメイキングの女の子と喋ったりもできる。

そしてそんな時間が一番楽しかったりもする。

ピザ屋のもうひとつの大切な仕事であるメイキングについては

別の記事で書いてみようと思う。