人生の雑記帳

思ったこと。気付いたこと。疑問。後悔。思い出。忘れたくないこと。そんなことを書き留めよう。

ピザ屋の裏話その④ -客なら何してもいいのか?-

ピザを頼む客にはもちろん常連もいるが、1回きりに終わることも多い。

そういう客とデリバリーの顔合わせは一期一会ともいえる。

毎回違う客と次々に顔を合わせてピザを届け代金を受け取る。

当然いろんな客がいて、中にはあまりに態度が悪くてこちらがキレるのもいる。

そんな客とのしたくない出会いの話だ。

 

注文を受けた私は客の家へと車を走らせた。

到着してチャイムを鳴らしてもなかなか出てこない。

ここで怒りゲージは30%だ。

注文したんなら家にいるはずだろ、さっさと出てきてくれよ。

ようやく出てきたと思ったら小太りのハライチ澤部っぽい男だ。

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だが顔は澤部のように柔和な感じではまったくなく悪人面だ。

澤部はこちらを一瞥して偉そうに

 

「いくらよ?」

 

金額を答えると、そこからまた財布を取りに室内へと戻っていく。

ここで怒りゲージは70%だ。

玄関まで出てきたんなら金持って来てんじゃないんかい。

ピザ屋が届けに来たってのチャイム押したときにわかってんだからさ。

それでも普通に金払ってくれるんならいいが、そうではなかった。

澤部はさんざん時間をかけた挙句に万札を出し、下駄箱の上に投げたのだ。

もはや怒りゲージは余裕の100%超えだ。

 

ピザを注文した客が金を払うときに守ってほしいマナーというものがある。

あくまでデリバリーからみたマナーなので一方的なものだが。

一番いいのは玄関開けたらもう1円単位で代金が準備されていることだ。

注文時に金額は伝えているのだから十分可能だ。

次は頑張ったけどちょっとお釣りがでちゃうパターン。

2369円なら2400円準備してくれているときなんかがそうだ。

これくらいなら全然普通だし、準備してくれている時点で非常に良いお客さんだ。

持ち合わせがなくて万札になっちゃっても別にいい。

その場で万札しかないことがわかったとしても

人として普通に渡してくれればこちらも礼節を持って対応するまでだ。

 

しかし澤部はそうではなかった。

準備はしてないわ、無駄に時間はかけるわ、結局万札だわ、しかも投げてくるわ。

こっちもまだ20過ぎの若造で、おまけに気分が顔に出てしまいやすい性格だった私は

澤部に対してお釣りを下駄箱に叩きつける、というおよそ客商売として

あるまじき蛮行に及んでしまった。

 

怒りに任せた態度を取った私が店に帰るとマネージャが待っていた。

既に澤部から

 

「あのデリバリーの態度はなんだ!」

 

とクレームが入っていたらしい。

私は事情を説明したが、やったことは客商売としては失格である。

怒りに震えるのは仕方がないが、決して態度に出してはいけない。

澤部の客としての対応がいかに非人道的だったとしてもだ。

つくづくこのときは私は客商売には向いてないな、と思った。

世の中いい人ばかりではないのだから。

 

こんな感じの話がいくつかあるので、書いていってみようと思う。

刺身をパックのまま出すのはアリかナシか?

なんかこの話題は定期的にメディアに出てくる気がする。

最近も取り上げられてたな。

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多分答えなんてない。

人によって違うとしか言いようがないのだが、

そのまま出すことを良しとしない人が世の中にいるという時点で、

 

他人に刺身を提供するときは皿に移し替えるべき

 

だろう。

実際に私自身もこの「パック提供」をされて嫌な思いをしたことがある。

妻の義理の兄の母(血縁的に何て呼ぶのかわからん)が

刺身を出してくれたときにこれやられて、なんか失礼だな、と感じたからだ。

相手がパック容認派だとしても移してもらって悪い気するわけないんだから。

自分自身で食べるときはなんとでもしていい。

多分いちいち移し替えない人かなりいるんじゃないだろうか。

醤油やワサビも蓋に入れたりして涙ぐましい。

特に一人暮らしは洗い物増えちゃうからね。

まあ一人暮らしの人が刺身の盛り合わせ買うこと自体がレアかもしれんが。

 

家族で食卓を囲むときなんかはそのまんま出したっていいが、

子供にはちゃんと説明はしておいた方がいいな。

家族だからなのであって、礼儀としてはちゃんと皿に盛るんだよ、って。

あとは高齢の両親とかもちゃんとしておいた方がいい。

そのまま出すのNGという人の割合が若い人より多分多いから。

私の母も絶対NG派だった。

 

うちは家族内でも必ず載せ替えてる。

なぜならいつもサクで買うから。

切った後にあの長細いパックに盛るのかえってやりにくいもん。

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ヤフオク!の話その③ -チケットが使えない!?-

お次は売ったチケットが使えなかった、という事例だ。

私はあるプロ野球チームの主催試合で入場券と交換できるチケットを出品していた。

所謂タダ券だ。

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すぐに落札され、商品を落札者へ発送した。

そして数日後、落札者から連絡が入った。

 

「今日球場行って使おうとしたら使えませんでした」

「代わりの使えるチケットを送って下さい」

 

なんで!?

商品はただの紙であり、動作確認とかの問題ではない。

有効期限も確認したがちゃんと期限内だ。

私はそのチケットを使うときの手順を丁寧に調べてみた。

するとあるカラクリがあることがわかってきた。

そのチケットは確かに紙ではあるのだが、券面にID番号が印字してある。

実は売り場に行ってチケットを提示しなくても、このID番号を言うだけで

入場券を発行してもらうことができる、という代物だったのだ。

つまりID番号を知りさえすれば利用可能、ということだ。

私は出品時の商品説明ページをもう一度開いてみた。

商品の写真にしっかりとID番号が読み取れる。

一方、他に同じチケットを出品していた人は皆ID番号をぼかしている。

 

これでわかった。

このチケットの使い方を知っている誰かが商品ページを閲覧し、

ID番号だけをメモして球場で発券したのだ。

その後、落札者はこのチケット本券を持って発券しようとしたが、

既にこのID番号は発券済みになっていて使えない、というわけだ。

使い方をよく調べずに安易に出品した私も迂闊だった。

 

私は落札者に事の経緯を説明し、詫びを入れた。

もちろん代金も全額返金した。

合わせて、無駄に球場に行く手間をかけさせてしまったことも謝罪した。

即座に対応したこともあって、落札者は終始丁寧に応じてくれた。

そして取引が成立しなかったにもかかわらず「良い」評価をしてくれた。

 

オークションに限った話ではないが、クレームの際には一にも二にも

丁寧で誠実な対応が一番だと実感した出来事だ。

卒業アルバムからの卒業。

今週のお題「〇〇からの卒業」。

私が今すごく考えてるのは「卒業アルバム」からどうやって卒業するか、だ。

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私は2年前に母を亡くした。

父は健在だが高齢であり、心の準備はしておかなくてはならない。

母の遺品とかをどうするかは当面は父の判断に委ねているが、

最終的には私たち子供、つまり遺族が判断しなくてはいけない。

いつか来たるそのときを想像していて、ちょっと困ったのがやはりこれだ。

 

思い出。

 

服とかはまだいい。

問題は写真、つまりアルバムだ。

両親が遺したアルバムだから、被写体のメインは私たちだ。

だが、あくまで親目線の写真であり、私たちが覚えていないことも多い。

でもやっぱり親が私たちへの想いを乗せて撮りだめてきた写真だ。

簡単には処分しにくい。

でももらって帰るにはかなりボリュームがあり、

きょうだいで分けても困るくらいのスペースを取る。

正直言うと「いらないんだけど捨てにくい」のだ。

 

このことを考えていて思ったのが、私が同じように年老いた後のこと。

アルバム類は昭和のものよりだいぶ軽くて少ないし、デジタルデータなので

アルバム自体を捨ててもデータを残すことは可能だ。

まあ私自身は死んだ後に捨てようが燃やそうが好きにしてくれていいんだが。

私の子供たちの写真なので、それこそ遺された側が判断しても差し支えないはずだ。

でも問題は「卒業アルバム」だ。

小中高とご丁寧に3冊もある。

被写体に写っているのは当然のことながら、親である私だ。

しかも子供たちの記憶にない、十代の若かりし頃だ。

こんなものを遺されても多分困る。

卒業アルバムを見るのは基本卒業した本人だけだ。

あとは友達と見せ合って、この子が可愛いとかカッコイイとかの品定めや、

お前の彼女だった子ってどの子?とかのネタで使われるくらいだ。

それも卒業してせいぜい1~2年くらいだろう。

 

自分の死後に子供を困らせるくらいなら元気なうちに処分したい。

いつかやろう、程度に思っていたらきっと動けなくなるまでやらない。

でもきっかけがないと多分できないので、父が亡くなった際に通るであろう

私の両親の思い出を処分するときに一緒にやってしまおうと思う。

雛人形のお題のときも書いたが、心情的に処分に困るものについては

お焚き上げという方法だってある。

donchang.hateblo.jp

 

生業としている業者もあれば、寺なんかで受けてくれるところもある。

昔の人はものを大切に使う人が多くて、私の両親もやはりそうだ。

でもその反面、もう使わないとわかっているのに置いているだけのものも多い。

私はそのへんは割り切って、使わないのなら処分する方向へ舵を切りたい。

アルバムだってこの先見ることがないのならゴミと同じだ。

これは絶対にやろうと思う。

お菓子の作り方その② -チョコレートタルト-

これ、一度作ってみて意外と簡単だったのでお気に入りのメニューだ。

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【タルト生地】

  • バター・・・75g
  • 砂糖・・・40g
  • 卵黄・・・1個
  • 牛乳・・・小さじ1
  • 薄力粉・・・125g(ふるっておく)
  1. バターは室温に戻す。そして練る。この「室温に戻す」というのがなかなか面倒だ。何時間も前から冷蔵庫から出しておかないといけないわけだが、だいたいの場合は「よし作ってみよ」と突然思い立ったりするから困る。バターはレンジにかけるとあっという間に溶ける。今回は溶けちゃったらダメなので急ぐときはぬるま湯で湯せんとかの方がいい。また、バターは高いので一部または全部をサラダオイルで代用しても、ちょっと生地が柔らかめになるけどなんとかなる。
  2. 砂糖を加えてさらに練る。
  3. 卵黄と牛乳を何回かに分けて混ぜる。ここは卵黄じゃなくて全卵でもいい。私は材料が余るのが嫌なのでいつも全卵でやってるが大した影響ない。
  4. 薄力粉を入れる。
  5. ゴムベラでボウルの底にこすりつけるように混ぜる。

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  6. ひとまとめにしてラップでくるみ冷蔵庫で3時間ほど休ませる。
  7. 綿棒で型より少し大きめになるまで延ばす。
  8. 延ばした生地を型に乗せる。このときに結構破れたりするが、またまとめて延ばし直さなくてもいい。9の手順で落とした生地を破れた部分に貼り付けて修繕しちゃって問題ない。こういう部分は焼いたときにヒビになったり見た目が良くないんだが気にしない。どうせフィリングで隠れる部分だし、穴が開いてるわけじゃないのでダダ漏れにはならない。
  9. f:id:Donchang:20210219193825j:plain

  10. 淵の部分を手で軽く押さえてなじませる。はみ出た生地は落とす。

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  11. 230℃5分⇒180℃で20分くらい焼く。一番最後にフィリングを入れて焼くとき、フィリングで隠れないエッジの部分は熱に晒される時間が長くなるので、この工程でエッジにアルミホイルを被せて焼いてもいい。私はあんまり気にせずそのまんま焼いてる。

焼いてる間にチョコレートフィリングを作るんだが、このレシピだとフィリングがいつも余ってしまう。だから結局いつも生地を上記の倍量にして2つ作ってるな。

 

【チョコレートフィリング】

チョコレート・・・160g

牛乳・・・95cc

卵黄・・・1個

生クリーム・・・200cc

  1. チョコレートを湯せんで溶かしておく。分量はそんなにきっちりしてなくてもいい。だいたい板チョコで2〜3枚ってとこだ。
  2. レンジで温めた牛乳を入れてまぜる。
  3. 生クリームと卵黄を混ぜたものを注ぎ込みながらゆっくり混ぜる。ここも私は全卵を使ってるが特に問題ない。また生クリームも高いので半量を牛乳で代用したりしても多分大丈夫だと思う。

生地とフィリングができたら、

  1. 焼いた生地にフィリングを流し込む。
  2. 160℃で20分くらい焼く。
  3. 焼きあがったら粗熱を取って冷やす。

食べるときはナイフで八つ切りにするくらいがちょうどいいんだが、

慎重に切らないと生地のエッジがボロボロと割れる。

あと、どうしても生地の余りが出ちゃう場合は、適当に延ばして一緒に焼いて、

クッキーにしてしまえば無理なく消費できる。

フィリングの代わりにクリームとフルーツを乗せるとフルーツタルトにもなる。

金かかるけど・・・

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反抗期の子供との付き合い方。-子育ての大きな関門-

子育て中の私たちにとって最も身構えていた"反抗期"。

現在絶賛真っ只中の子供がいる。

中学生男子だ。

何かにつけて他人や学校、社会に対する文句が多く、自己反省がない。

自分の希望が聞き入れられないと妻に暴言を吐くのは日常茶飯事。

先日も小遣いの前借りを認めない妻とかなり激しくやり合っていた。

頑として認めなかった妻を褒めてやりたいが、

あまりにも身勝手な息子の言い分には心底腹が立つ。

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これが世に言うところの反抗期そのものなんだろう、とは思う。

きっと自分自身も過去に通ってきた道だ。

成長するにつれて治まる、とはわかっているものの、

それが日単位じゃなくて年単位だから先が見えない。

だから毎日自分の怒りを抑えるだけで精一杯だ。

 

反抗期は6年生の頃からで、だいたい3年経つ。

徐々にものわかりはよくなってきたな、とは思うし成長は感じられる。

だが食事のメニューやオンラインゲームの時間制限、Wi-Fiの接続状況なんかで

こちらの癇に障る言動が毎日のようにある。

最初のうちは私も気になることは遠慮なく言っていたのだが、

その頻度があまりにも多く、こういう感情のコントロールが下手な性格もあって

何度か張り倒し、投げ飛ばしたりして激しく衝突した。

そのため、関わるとこっちが冷静でいられなくなると判断し、

彼に関する一切を妻に任せ、私はコミュニケーションを断っている。

だから息子とは2年以上ひとつも言葉を交わしていない。

 

だから今では彼の矛先はほぼ100%妻だ。

口うるさく言う唯一の存在ではあるが、彼を一番可愛がる存在でもある。

そして妻は決して必要以上に声を荒げない。

言い分を最後まで聞き、そして懇々と諭す。

彼が無茶な暴論を吐いても聞き流して正論で対抗する。

たまに厳しい口調にはなるが、根底には優しさが感じられる。

息子もおそらく妻の愛情を無意識に感じているからこそ

言いたいことをぶつけているんだろう。

妻に一度聞いたことがある。

 

「腹立たないの?」

「そりゃ立つよ」

「なんでキレずにいられるの?」

「いつか必ずわかるときがくるって思ってるから」

 

達観している。

今の感情を優先させず、先を見据えているのだ。

わかっていてもこの瞬間の感情が先に出てしまう私はまだまだ子供だ。

たまに妻も

 

「お父さん怒ってるよ」

「お父さんに聞いてみなよ」

 

と私をダシに使う。

このときばかりは息子が少しおとなしくなるのがわかる。

そう、そうやって私を効果的に利用してくれたらそれでいい。

威厳、といえば聞こえはいいが、理由はともかく子供が畏れる存在はいた方がいい。

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高校生の上の娘が中学生の頃にもやはり同じようなことがあったが

そのときも妻は荒れる娘に必要以上に感情的になることなく愛情を注ぎ続けていた。

そして今は娘も非常に落ち着き、妻と大変仲がいい。

妻は息子ともこんなときがくるのをじっと待っているんだろう。

 

あと1人この道を通らなきゃいけないのかと思うと気が重い。

2人経験しても反抗期の子とどう付き合えばいいのかが私にはわからない。

いや妻の姿勢がきっと正解なんだろうが、とても私には真似できそうにない。

反抗期がない子供もいるというが、逆にもっと振れ幅の大きい子だっているだろう。

きょうだいでも荒れ方はバラバラだし、親の応え方ひとつでもきっと違うはずだ。

妻に全権委任しようと思う。

妻もそれをよくわかっていて、私がひたすら黙っていることを前提にしている。

口を出すのは妻に任せて私は金を出す係に徹する。

それが我が家の平和のための役割分担だ。

 

答えは10年ほどしたら子供自身が出してくれるだろう。

女の子の話その⑦ -Nちゃんとの別れ-

↓ 前回のお話 ↓  

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4月に入ってすぐ、私はNちゃんとちょっとしたすれ違いで小さな喧嘩をしていた。

そのため2週間ばかり顔を合わせていなかった。

そのさなかに友人からの忠告があったのだ。

 

胸騒ぎを覚えた。

その後すぐ、Nちゃんが私のクラスにやってきて久々に話しかけてくれた。

仲直りのきっかけにできないかな、私はそう思ったのだが、彼女は俯いている。

 

「今日の帰りに話したいことがあるから」

 

良くない話であることはだいたい想像がつく。

友人が話してくれたこととも多分関係があるのだろう。

その日の夕方、幾度も彼女と2人で時間を過ごした公園に向かった。

そして単刀直入に告げられた。

 

 「他に気になる人がいるの・・・お付き合いを考えさせて」

 

恐れていた通りの結果だった。

だがここで拒否してしがみついても惨めなだけだ。

 

「わかった、結論が出せたら教えて」

 

答えは99%出ていると思ったが、彼女の決断を待つほかなかった。

 

そして数日後にもう一度、彼女から呼び出された。

 

「考えてみたんだけど・・・やっぱり別れてほしい」

「どうしてなのかできれば教えてもらえないかな?」

「一緒にいることがなんだか飽きてきたように感じるの」

 

彼女の言う"気になる人"というのは、彼女の部活の仕事を手伝いに来てくれた

同級生で、ちょうど私との関係に疑問を抱き始めた頃に知り合ったらしい。

そして私と喧嘩をしたタイミングもあり、距離が縮まったのだろう。

彼もまたきっと彼女のことが好きでお互い惹かれ始めていて、

もしかしたら彼からの告白まで受けていたのかもしれない。

それでNちゃんは私との関係を清算しよう、と考えたみたいだ。

結論は出された。

 

「じゃあ元気でね」

 

そう言い残して公園を走り去るNちゃんを私は黙って見つめるしかなかった。

その夜、私は人生で初めて心の底から泣いた。

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だが、当時の私は自分の悪かったところに気付けないままでいた。

具体的に自分のどこがいけなかったのかわからない。

わからないから自分の中で素直に受け止められない。

私はなんとかして心のわだかまりを消化してしまいたいと焦っていた。

事の顛末を知った周りの友人たちは「お前は悪くない」と口々に言う。

内情を知らないのだから無理もない。

彼女が一方的に裏切って他の人に乗り替えたようにしか見えていなかったんだろう。

私もそういう声を都合よく解釈し、彼女を悪者にしてしまうことで収束を図った。

そうだ、一方的に心変わりした彼女が悪いんだ。

そう思い込ませることにした。

そして、彼女にもその思いを伝えないと終わらない気になっていた。

私は自宅の電話の受話器を手にしていた。

あれだけ忌避していたのに、このときは彼女の自宅へ躊躇なく電話していた。

そのときは彼女の親が出ようが気にならなかった。

それだけ早く心をリセットしたい思いが強かったのだと思う。

電話口に出た彼女に私は強めに言葉をぶつけた。

 

「あんたが・・・そんなに軽い子だとは思わなかったよ・・・!」

 

そんな意味のことを言ったように思う。

彼女は何も言わなかった。

電話を切った後、私はようやく自分の気持ちに区切りをつけることができたと思った。

でも本当はずっと変わらず好きなままの気持ちになんとか蓋をしただけだ。

その下では彼女を想う心の火は変わらず燃え続けていた。

あとは時間が解決してくれるのを待つしかなかった。

 

こうしてNちゃんとの夢のような時間は儚く終わりを告げることになった。

だが、彼女と交際していたときの私には多くの反省点がある。

そのへんのことを別記事で少し振り返ってみようと思う。

花粉症 ~対症療法じゃいかんのか?

今週のお題「花粉」。

私は高2で発症した。

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既に世間でも認知されていたので、私も「もしかしてこれか!」と絶望したものだ。

若いうちは症状もキツい(気がする)。

目は四六時中痒いし鼻は出っ放しでポケットティッシュがいくつあっても足りない。

私の場合、最初のうちは本当に花粉症なのかな?とまだ半信半疑だったのだが

北海道で一人暮らしを始めてからピタッと止まったので多分正解だったんだろう。

就職して北海道を離れたらまた思い出したかのように再発するし。

 

で、やっぱり辛いし治したいから病院に行く。

そして処方される抗アレルギー剤。

セルテクトとかジルテックとかエバステルとかアレグラとかクラリチンとか・・・

市販薬になってて今もCMで見る名前もあるわな。

で、私もこういうのを一通り試してみたわけだが。

果たして、全然効かない。

飲んだ後にちょっとの間効いた気がするだけ。

プラシーボ効果すらない。

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そんなこんなで10年以上経ち、根本治療は諦めた。

で、登場するのが対症療法。

辛い症状が出たら処置するというまさに"その場凌ぎ"だ。

だが結果的に私はこれの方がずっと楽だ。

目が辛いなーってなったら目薬。

鼻が詰まるなー鼻水止まらんなーってなったら点鼻薬

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結構持続もするので2~3時間に1回でいい。

これで楽になるんなら安いもんだ。

今も対症療法マンセーだ。

で、年齢とともに不思議と症状も落ち着いてくるから不思議だ。

花粉に対する体の反応も鈍くなってくるんだろうか。

今は無花粉のスギも増えてきて、花粉症は将来的には減るのだろうが、

そんなもんに置き換わる頃には多分200歳を超える。

こんな感じでゆるーく一生付き合っていかないといかんのだろな。

ピザ屋の裏話その③ -その筋のコワいお客さん-

ピザ屋の閉店時間は結構遅い。

夜は11時まで注文を受けていたので、仕事が終わるのが12時近くなることもある。

そんな早く帰れるかどうかの瀬戸際の時間帯にいつも注文をしてくるお客さんがいた。

営業している以上はいつ注文をもらったからといって文句を言ってはいけない

だが決まって10時58分くらいになると電話が鳴るのだ。

電話に出ると決して住所を言わない。

どこそこの交差点まで出ていくから、近くまで来たら電話しろ、の一点張りだ。

そして言われた通り電話すると、それらしき人が交差点にいるのが見えた。

どう見てもその筋の方だ。

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学生アルバイトが事務所とかに来られるとまずい理由でもあるんだろうか。

 

そもそもヤ〇ザ屋さんもピザ頼んで召し上がるんですね。

 

そう思うとちょっと微笑ましい気持ちになるが、代金のやり取りで目が覚める。

何にも言わず現金を乱暴に手渡してくる。

お釣りを準備するこちらの手が少し震える。

時間も時間だし、人通りもほとんどない場所だ。

ここで機嫌を損ねるような真似したらタダでは済まない・・・多分。

落とさないように丁寧にお釣りを渡すと何も言わずに去っていくヤ〇ザ屋さん。

何回か持って行ったことがあったが毎回ほとんど同じやり取りだ。

 

怖かったが、事務所というものの中を見てみたかった気もする。

堅気の人間がそうやすやすと入れる場所じゃないからな。

この仕事をしていたからこそ遭遇することって結構ある。

こんな風に記憶に残る出来事をこれからいくつか書き留めてみる。

ヤフオク!の話その② -売った商品が壊れてた!どうしよう?-

ヤフオクをやっていて対応をしくじったことがいくつかある。

その中の1つがこれだ。

出品物は玩具で、タルにナイフを刺すと人形が飛び出てくるアレだ。

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この頃の私は出品初心者でもあり、商品の状態確認を疎かにしていた。

自分が購入した当初は確かに正しく動作したことは覚えていたのだが、

その記憶をいいことに動作確認をちゃんとしていなかったのだ。

多分動くだろう、という希望的観測だ。

動作確認済み、という文言も商品説明には入れていなかった。

 

そして商品はほどなくして落札された。

2000円近かったと思う。

商品が落札者の手元に届き、間もなく問合せがあった。

 

「ナイフを全部刺しても人形が飛び出してこないんです」

「分解して調べたのですが直せませんでした」

「直していただくか返品することはできないでしょうか」

 

という内容だ。

落札者側としては言葉も選んでおり、精一杯真摯な対応だと思う。

落札者が分解しても直せなかったのだから私にも多分直せない。

そしてせっかく売れたものを返品してもらうこともできれば避けたい。

私は落札者にこう返答した。

 

「動作確認済みと書いていないので責任は取れない」

「ノークレームノーリターンにつき返品も受けられない」

「確かめず出品したことも事実なので半額だけ返金する」

「現品は返さなくていい」

 

これ、どれも出品者側に都合のいい理屈だ。

書かれてないことは何が起こっても責任取りませんよ、と言っているようなもので

落札者側からみれば誠実な出品者とはとても言い難い。

今ならば送料含めて全額返金を受け付けるか、場合によっては現品も返してもらう。

結局落札者がこちらの提案を飲んでくれたため、半額返金したのだが、

評価は「どちらでもない」をつけられてしまった。

そりゃそうだろう。

「悪い」をつけられなかっただけ良かったと思うべきだ。

 

私はこの件以降、当然だが動作確認を怠らずするようになった。

そして商品説明に書かれていないことであっても、

それが当たり前に得られるはずの機能であるならば確認すべきだと考えるようにした。

もう基本のキの字だ。

それでも次から次へと自分のミスやトラブルは起こるもので、勉強は続く。

モノを売ってお代をいただく、というのはかくもしんどいものなのだ。